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会社設立後の経理は自分でやるべきか、代行業者にまかせるべきか

会社設立を行った後の一つの課題は「経理」ではないでしょうか。お金の出し入れは、会社にとって重要な生命線、守りの部分であり、おろそかにすることはできません。一方で、会社設立後は営業・実務、場合によっては人員育成などこなす必要のあるタスクが山積しています。個人事業主の場合と違い、会社の経理を自分だけで行うのはかなり厳しいと言えます。

そのため、経理を自社で行い(自計化)、税理士にチェックしてもらうか、あるいは経理ごと代行業者・税理士に一任するかのやり方をすることが現実的でしょう。この記事では、経理を自社ですべきか、代行業者に任せるべきかのどちらが良いかを検討すると共に、いつのタイミングで記帳代行業者を活用するべきかについてもご紹介します。

1 そもそも経理とは

そもそも経理とは

そもそも、会社経営者にとっての「経理」とは、どのようなものであり、どんな形で取り組んでいくべき物なのでしょうか。

会社経営者にとっての「経理」

一つは、「経理は経営の現況・成績を確認するツールである」で、もう一つは、「帳簿をつける作業は専門家に任せつつも、お金・特に現預金などのキャッシュは経営者がきちんと管理するのが望ましい」ということです。

経理業務・経理を通して出てくる書類(特に決算書)はある意味、これまでの経営に対する経営者への通信簿と言えます。

そのため、帳簿付け自体は、外部・社内スタッフに完全委任してよいですし、特に起業当初(できれば起業前の段階から)は、記帳代行業者に記帳を一任するくらいの割り切りをするのが望ましいでしょう。

とはいえ、「数値・手元現預金に問題がないか」については、経営者が常に目を光らせる必要があります。帳簿上は儲かっているはずなのに、なぜか手元に現預金などのお金がなくなり、黒字なのに資金ショート、というのは悲劇でしかありません。

これを避けるためにも、現預金の管理については、経営者が責任を持って行う、外部に委任する場合でも頻繁に直接チェックするのが望ましいでしょう。

1-1 日頃の帳簿で経営状態を把握できる

帳簿付けは適任者へ任せる

先ほどの導入部分で、帳簿付けは重要な作業であることを述べる一方、「経営者ではなく、適任者(記帳代行業者などの外部事業者・内部の経理に精通したスタッフ)が帳簿付けを行うことが望ましいと述べました。

それは、帳簿付けそのものは作業に過ぎないからです。大切なのは、その先にある「結果・経営成績の分析と、経営への反映」こそが、事業の分析・次の打ち手を考える上で不可欠だからです。

分析は大切ですが、一方で帳簿付けのプロになっても、1円の利益も産みません。それなら、その時間を営業・製品開発などに充てた方が望ましいでしょう。記帳代行に依頼するのがもったいないくらい経営者の時給が低いのであれば、まずその時給を上げることために本業にリソースを投入する方が重要です。

一方、「帳簿をつけました。」だけで、帳簿の分析・確認がないのもいただけません。帳簿を通して作成された書類、月次決算や四半期・年次の決算は、「会社のどこがよくてどこに問題があるのか」をリアルに示します。

この決算書類等を経営者がきちんと把握し、今後の経営に反映していくことが不可欠です。

1-2 経理・決算と決算書は経営における通知表のような存在

日々の経理は、学校でいう日時テスト、決算・決算書は通知表のような存在です。例えば、黒字・赤字は、経営成績としてプラスであったか、マイナスであったかをストレートに示します。決算書の各項目は、経営に無駄がないか、在庫を持つビジネスであれば在庫の状況(余剰在庫の存在)など、様々な要素を示します。

そして、過度に節税を考えず、できるだけ黒字にすることを心がけた方が望ましいといえます。金融機関の信頼も高まりますし、ある程度大きくなると帝国データバンク、東京商工リサーチなどの調査会社の調査も入ってきますし、株式会社の場合は官報やWebサイトでの公告義務もありますので、基本的には、黒字であることが望ましいといえます。

ユニクロの柳井正氏は、2007年の「成功はゴミ箱の中にレイ・クロック自伝」(プレジデント社刊行)の巻末における孫正義氏との対談で、「我々のような小売業では日々の小さな単位の金が貴重です。そうした金を少しずつ積み重ねていくしかない。」と語っているのです。現在では2兆円を超す売上のユニクロの経営者でさえ、日々の売上の積み重ねが重要と述べているのです。

数百円から数千円のカジュアル衣料を徹底的につくり、徹底的に売った上に、2兆円の売上が成り立っているわけです。

1-3 帳簿付けはできなくても、数字は読めるようになろう

前述のユニクロに限らず、どのビジネスも、日々が数字・結果・顧客満足との戦いであり、その1年の集大成、年間の通知表が決算書であるといえましょう。

だからこそ、「帳簿付けは外部に任せる」「日々の経営数値・四半期決算・半期決算・1年の決算はしっかりと分析するというメリハリが大切になっていきます。

また、経理代行業者・税理士にきちんと依頼することで、特に税理士などから、決算書や各種会計数値のレクチャーを受けることで、本で読むだけではわかりにくい、決算書など各種書類を読むノウハウを体得できるメリットもあります。

会計の専門書や、「よくわかる会計・決算書の読み方」のようなタイトルの本で、自力で理解しようとする人もいますが、なかなか書籍だけで決算書を理解できる人は少ないでしょう。

それよりは、税理士など数字のプロから直接教わった方が、スムースに数値を理解することができるでしょう。

2 会社経営と経理

会社経営と経理

このように、会社経営と経理は、切っても切り離せない関係です。少なくとも、起業当初の経営者に求められるのは、経理のような内向きの仕事ではなく、外部への営業など、売上を向上させるための行動、そして結果の分析や結果を踏まえた改善です。

2-1 自分でやるのと代行業者に任せるのはどっちが得か

まず、結論からいうと、「代行業者に任せることが、費用がかかっても総合的な意味で得」といえます。経理を行う本来の理由を考えると、経理は記帳などを通し、経営成績を把握するための手段といえます。経理を行うことそのものが目的ではありません。

現在、経理業務のアウトソーシングを導入する会社や個人事業主が増えており、その理由は大きく以下の2つにあります。

経理業務のアウトソーシング導入が増えている理由

  • 〇クラウドサービス等を始めとしたWEBサービスが発展して、低コスト化と利便性が向上している。
  • 〇日本の人口減少・労働者減少により、人材確保が難しくなっていく。

上記の『WEBサービスの発展』と『労働者減少による人材確保難』は、今後も続く大きな流れになっています。そのため、中小企業や個人事業では社内の人材を集中的にコアな業務にあたらせ、それ以外の業務はアウトソーシングする流れが加速していきます。

経営者にとっても、経営分析こそ重要であれ、経理の帳簿付け作業自体は、本来経営者の仕事とは言いにくいでしょう。その時間を、他の仕事や考えることに充てた方が生産的です。

また、経理は作業的な側面が強いといえます。「仕事をした」という気分や疲労感など、成果に直接は繋がらないけれども、「なにかやった気分」を感じてしまい。変な自己満足に陥るおそれもあります。

センターピン理論というのがあり、物事は、ボーリングの1番ピンのようなセンターピンを徹底的に抑えることが肝要という考えがあります。経理の帳簿付けは、右端の10番ピンぐらいの位置であり、そこばかりを狙っていては経営でガターを起こしてしまいます。

お金回りの業務のセンターピンは、経理作業をすることではなく、「日々の手元現預金・売り上げ・費用の管理」や「決算の分析」です。日々の帳簿付けで負担感を抱えて、管理・分析がおろそかになってしまっては元も子もありません。

そう考えると、経理を自分で行うのではなく、代行業者・税理士などの専門家に任せる方がずっと望ましいといえるでしょう。

2-2 記帳作業は代行業者に、分析は自身と税理士・代行業者で

前項でも述べたとおり、(領収書や預金通帳の提出については別ですが)「作業」については、記帳代行業者にまかせることが重要です。特に、起業当初は、自分であれこれ悩むよりも(仕訳はどうするのか、これは経費になるかなど・・)記帳代行業者に一任して、「判断・選択」という意志の力を使う行為をできるだけ廃していくのが望ましいといえます。

記帳代行業者は、税理士や税理士法人が運営していたり、税理士とのアライアンスがありますので、日々(もしくは月々)の記帳代行に加え、決算やアドバイスなども望めます。さらに、税理士を通して官公庁への届出も行えますので、各種税務の手続きに関する手間を軽減することも期待できます。

このように、日々の経理で様々な判断を行い、エネルギーを消耗するよりも、最初から専門の記帳代行業者に一任したほうが、会社設立後の本当に重要な部分にエネルギーを使えるといえましょう。

記帳作業は代行業者に依頼し負担軽減

2-3 手元現金と融資の重要性

会社経営を行っていると、売上はあるのに手元の現金がない、という事態が発生することがあります。

これは、売上の計上時点と、実際に現金が入金される時点が異なるためです。

例えば、飲食店・理美容店など、日銭が入る現金・個人相手のビジネスであれば、売上計上=入金ですが、これが対法人の業務になると、請求書を出したその月末~翌月末、取引条件によってはそれ以上遅くなる可能性もあります。

このような状態ですと、帳簿上は黒字だけれども、必要な支払いができず・・・、となってしまい、様々な問題に発展するおそれがあります。

しかし、現預金管理や日頃の記帳も含めきちんと行い、将来の資金繰りも含め分析しておけば、「融資を受ける、ファクタリング(請求書買取)を行う、その他出費の節約か何らかの手を打たないと、この時期には資金ショートする」ということがわかります。

ですので、黒字倒産、もしくは支払不能で信用を失うということがないよう、日々・月々の記帳を記帳代行業者に任せるなどし、将来を見通せるようにしておくことが大切といえましょう。

3 会社設立も代行業者に任せられる?

会社設立も代行業者に任せられる?

記帳代行業者は、税理士法人や税理士が運営していたり、税理士法人・税理士とのアライアンスがあることから、税理士を通じ、会社設立もまとめて依頼することが可能なケースも多いです。

会社設立を外部に依頼し行う上では、法務局に登記手続を行う司法書士、定款作成や定款への電子署名、公証人役場への定款認証代行を行う行政書士の二職種が必ず関わる必要があります。

税理士の場合、定款作成を行える行政書士資格については、申請するだけで行政書士資格を取得することが可能です。あわせて、登記を行う司法書士・司法書士法人とも、大半の場合繋がりがあります。

さらには、記帳代行・決算をするという契約で、会社設立の実費(登録免許税・公証人手数料など)以外の部分が割引・無料化されるケースもあります。

もしまだ会社設立前であれば、記帳代行業者を活用するのに良い機会といえましょう。

会社設立の手続きも合わせて代行業者に依頼することで、会社設立から各種記帳・税務など会社設立時・会社設立後に必要な手続きを一気に代行してもらえるからです。

3-1 会社設立は、代行業者に依頼するのがおすすめ

会社設立について、前項でも触れたとおり、最初の段階から代行業者に依頼することがお勧めといえます。会社設立から始まる一連の「作業的手続」をほとんど専門家にお願いできるからです。

また、会社設立を代行業者に依頼することで、自分で設立手続きを行うよりも、下記のメリットが望めます。

代行業者に依頼する4つのメリット

①時間の節約

経理作業は、お金の取り扱いや売り上げや費用の管理する業務のため社長や社長の家族などの信頼がおける人が行うケースが多くなっています。社内人材の能力と時間を“企業価値”を向上させられるコア業務に集中的に投下する事が出来ます。これは社長が経理業務を行っている場合などは、特にアウトソースする効果は大きくなります。

特に会社設立をゼロから行おうとすると、決めることがたくさん出てきて、時間を大きく使います。会社の形態、作成手続き、書類の法務局・公証人役場のやりとりなど、様々な調査・官公庁や公証人役場での手続き、許認可が必要な業種の場合は事前の下調べなど、複雑な手続きを自分で行わなければなりません。

また、書類に間違いがあると、書類の往来や、発起人が複数の場合は他の発起人の押印・訂正印などをもらう必要があります。そのために余計な往復の手間が発生するなど、ともかく自分だけでやろうとすると様々な無駄な手間・時間が発生する可能性があります。

加えて、会社を設立したからといって、その知識がプラスになることはあるとは正直言いがたいです。同じ人が2度会社を設立することはまれですし、2社目以降の会社を作る場合は、お金に余裕もあるので、社員や専門家に任せてしまうパターンが大半だからです。

会社設立の手続き・作業に使う時間を、ビジネスの構築にかけた方が、様々な意味で生産的といえましょう。

②許認可・届出の問題

先ほども少し触れましたが、業種によっては、官公庁への許可・認可・届出などが必要になるものがあります。建設業・産業廃棄物運搬業・運送業・飲食店営業・宅地建物取引業・人材派遣業・医療法人の設立認可など、数は数千種類にも上るといわれています。

なお、届出については意外と誤解されがちですが、書類を書いて出せばOKというわけではありません。手引きにしたがい、官公庁の求める、人・モノ(設備)・お金(資本)などの要件を満たしていないと、書類は受理されません。

また、会社設立の際は「会社の目的」を、定款(会社の所在地・事業目的を定めた書面)に記載し、法務局に登記する必要がありますので、もし定款に許認可にかかる事項の目的を記入し忘れた場合、定款の修正登記を法務局に行うなど、二度手間となります。

また、許認可・届出を申請する際には、定款・法務局へ登記した会社の目的に、許認可・届出にかかる業務を事業として行うことが要されております。許認可・届出の種類により異なりますが、会社の目的の書き方に関しても、決められたものでなければならないケースも存在します。

会社設立で、最初の時点から許認可申請や届出を行う業種であることを、会社設立代行業者にきちんと伝えておくことは重要です。「この業種で開業する予定です」と伝えておくことで、会社設立の際に、定款・法務局へ登記する目的の文言を、行政書士・司法書士が許認可申請・届出も踏まえた内容で作成、登記をしてくれます。

その上で、後で必要になる許認可申請・届出もあわせて行政書士、もしくは官庁を管轄する士業に一任できます。

会社設立の最初の段階から、記帳代行業者に業種に関し相談し、そこから各専門家につないでもらうことで、会社設立から許認可・届出完了まで、一連の手続きが流れるようにできるのです。

また、許認可・届出を専門家に依頼するメリットとしては、許認可・届出を代わりにやってくれるから、だけではありません。「許認可・届出」がうまく行きそうか、厳しそうか、そもそも無理かをこれまでの経験から判断してくれることも期待できます。許認可・届出の成功率を上げるために、なんとか「ヒト・モノ・カネ」の要件をクリアして「できる方法がないか」を探してくれます。

もともと条件に合わない場合は、さすがにどんな許認可・届出でも不可能です。しかし、出るかどうか微妙なケースこそ、専門家の力が活きる場面となることがあります。一見条件に合致することは無理に見えるという状況であっても、代替案を用いることにより、許認可・届出をクリアできる可能性もあるのです。

(ただし、行政書士など専門家なども、定められた決まりの枠内での最大限の代替案提示はできますが、元々全く無理な案件を通すことはできないということは申し添えておきます)

このような、一見厳しそうな許認可申請の「できる方法探し」も、何十回、何百回と申請を繰り返してきた専門家だから可能なことであり、これから会社を設立する人にとっては、手引きを一読するだけでも相当な負担になります。

③正確性や専門性などの専門家の仕事が受けられる

アウトソースを受ける事で、専門家が仕事を行います。専門家が仕事を行う事で期限管理や正確性が担保されます。また、融資を受けたいといった相談に対しても経理業務の専門家としての意見や考えを聞ける事も大きなメリットです。

④継続的な業務が出来る

会社の成長とともに、会社の規模や事業内容の修正・変更といった事が発生します。このような事が発生すると、それに伴って経理に必要な知識も変わってきます。例えば大会社になると、中小企業の“税法”に準拠した財務諸表から“会計基準”に準拠した財務諸表と税法の要請事項の調整を加えた財務申告用の所得を決める事が求められます。また、大企業になると会計監査人の設置が必須となります。

仮に中小企業の経理業務の知識しかない方がいた場合や、会社の成長や変化に対応が難しい社員が経理の場合などは育成や場合により交代が必要になります。しかし、専門家を有するアウトソース先であれば、その心配は不要です。
また単純に経理担当の退職による業務が滞るリスクが無くなり、継続的な業務遂行が行う事ができます。

ですので、許認可・届出にかかる事業を扱う予定の場合は、なおさら最初の時点で記帳代行業者に会社設立・許認可・届出の段階から相談・依頼することをおすすめします。

ただ一方で、経理業務のアストソーシングにはデメリットもあり、以下のように大きく3つにまとめられます。

代行業者に依頼する4つのデメリット

①依頼会社の変更は簡単ではない。

アウトソースを行おうとする時には、どの範囲をどの期間で依頼するという事を選ぶことになります。この期間には1ヶ月や単発という短い期間もありますが、“決算業務”や“支払”などや経理業務全般を依頼する場合などは、1年単位で依頼する事になります。

そのような時に、アウトソース先との相性が悪いという事もまれに発生します。その際には最悪の場合には、アウトソース先の乗り換えを行う事になります。乗り換えを行おうとすると、今まで契約していた先とこれから契約する先の2社から費用の請求が行われる期間が発生します。また、1年契約などはたとえ業務を行わない状況下でも費用を請求される事もありえます。

②費用と成果が見合わない場合もある。

事業の拡大縮小やM&Aなど会社や体制の変化はその機会も多くなり、スピードも速くなってきています。そのような時に求めている迅速な対応や的確なアドバイスなどを求めたいのに対応が遅かったり、アドバイスが曖昧だったりする事もあります。しかしアウトソース先は仕事をすれば対価が発生するので、残念な仕事やアドバイスにも費用を支払う事になります。

③スキルの内省化が出来ない。

アウトソーシングの共通のデメリットですが、社内にノウハウが蓄積されません。そのため、どうしてもアウトソース先に頼らざるを得ない状況が出来上がってしまいます。特に経理業務については、決算業務や税金の支払いなど事業を行う上で必須な業務になるため、社内に全く知識がないという状況であると非常にリスクが高くなります。どうしても外部に問い合わせを行うとタイムラグが発生するため、迅速な経理確認が出来きません。

3-2 会社設立の手順についておさらい

設立者が手続きを行う場合でも、記帳代行業者に会社設立を依頼する場合であっても、手続きも含めた会社設立の全体手順について、流れをつかんでおくと望ましいといえます。

会社設立の手順

①会社の基本的な事項の決定

まず、会社を株式会社・合同会社などどのような形態にするのか、ビジネスモデルをどうするかという基本的な部分は、設立者自身が考える必要があります。

記帳代行サービスによっては、その後の許認可や融資申請等も視野に入れ、ビジネスモデルの相談をすることができるケースもあります。しかし、「何をしてお金を稼いでいくか」というビジネスモデルの根本は、会社を設立する人自身が考える必要があります。

とはいえ、頭の中にあるビジネスモデルで、「こうしたい、こうする」という概要やアイデアはあっても、文章や図表にすることというのは案外難しいものです。自分の頭の中で考えていることを、外部にもわかる形で表現することが口頭ではできても、文書・数値などに落とし込もうとすると、具体的な部分まで踏み込めないというケースは案外多いものです。

さらに踏み込んで書きますと、例えば、ビジネスアイデアを思いつき、他人に口頭で話せる。こういう人は案外多いのです。

ですが、これを文章にするとなった途端に、多くの人にとっては、ハードルが高くなります。なぜなら、できる人ほど単純に「思考を文章にしていくこと」に慣れていないからです。

これは、職人肌や営業力の強い人に案外多いケースとして想定できます。職人独自の感覚的な物や、営業パーソンの物の良さを伝える力に長けている人ほど、その良さが突出しているゆえに、自分で良さをうまく表現できないことや、長所を外部に伝えることに変に遠慮してしまうことがあります。

また、あまりにも自然になりすぎて、凄いことができているのに自分で大したことと思っていない。これが専門家から見たら、「こんなすごい能力をもっているのにアピールしないのはもったいない!」となるわけです。

記帳代行業者が連携する税理士・司法書士・行政書士などの専門家は、「人のアイデアを聞き、それを具体的な文章や数値にまとめるということ」に慣れています

そのため、「頭の中にアイデアはあるのに、うまく思いつかない」という場合は、記帳代行業者を通して会社設立を依頼する最初の段階で、事業案を話して、強みを引き出してもらい、様々な良さを文章・数値ベースに落とし込めるようやりとりをしてみるのも一つの方法でしょう。

一人で考えていても、アイデアや良い書き方が浮かぶとは限りません。専門家に話すことで、「このアイデア、こうすればさらによくできますよ」とか、「この手法もよいですが、あわせてこんなアプローチはどうでしょうか」など、自身の視点とは違ったやり方が発見できる可能性もあります。

また、会社設立の実務をしていて感じたのは、「多くの経営者の方が、数字に苦手意識を持っている」ということです。

会社設立をする方は、専門分野や営業、もの作り、物販などで特筆すべきセンスを有する方が大変多いです。一方で、自分の強みを言語化することに加え、「経営の数字を組み立てる」という作業に苦手意識を持つ方が多くいらっしゃいます。

実際、5年後どころか、1年後、2年後も、経営がどうなるのかわからないのが、多くの経営者の本音でしょうし、予定通りには大抵行かないのが経営です。予定数値より大きく上振れすることもあれば、下回ることもあります。では、なぜあえて経営数字を組み立てておく必要があるのか?

それは、一つの指針・目安になるからです。何らかの形で目安を作り、数値化をしておくことで、「これくらいの目標を目指そう」「経費はここまでにおさえよう」など、一つの方向性ができるのです。

もし、数値をきめずに、ダラダラと続けていたら、どうなるでしょうか。経営に対する緊張感がなくなるおそれは大きいでしょう。加えて、融資を受ける際に、計画というのは必須となります。売り上げや資金計画さえない状態では、相談以前の問題となってしまいます。

ですので、最初のうちにビジネスモデルを様々な形で練り込み、外部に提示すること、また、経営計画を数値化することはとても重要といえましょう。

②基本事項を決定する

会社をつくる上で、決めることは山ほど出てきます。会社名はどうする、株式会社は前につける?後ろにつける?事業目的はどうする、本店所在地はどこがいいか・・・きりがありません。こういうことを一つ一つ自分だけで決めようとしていくと、大きなエネルギーを使います。

記帳代行業者を通し、税理士・司法書士・行政書士などの専門家に任せていれば、「設立者自身が決めなければいけない最小限のこと(社名・何の業務をするか)を決めると、あとはそれにあわせた役所向けの申請書類を「作成」してくれます。

特に会社の事業目的については、多くの会社設立をする人が悩む部分です。

「この書き方でないと許認可・届出に影響がでる」とか「この事業を書いていると融資を受けることが難しくなる」など、会社の事業の目的では、こう書かないといけない、これを書いてはいけないなど、要注意事項も混じっています。

一見大したことのないように見える基本事項ですが、けしておろそかに設定できる物ではありません。

また、本店所在地についても、軽視しない方がよいでしょう。経理代行業者を通して専門家に依頼することで、銀行の口座開設ではバーチャルオフィスだとかなり審査が厳しくなる、シェアオフィス・レンタルオフィスでも、形態によっては審査のハードルが上がるなど、これまで多くの会社を設立した経験から、専門家サイドで様々なNG事例を蓄積しているケースが多いです。

普通の人にはわからないが、専門家であれば知っている、こういうNG事項に足をすくわれないためにも、経理代行業者を通し、最初から会社設立における一連の事項を専門家に依頼することは、リスク回避の観点からも大切といえましょう。

③資本に関する事項の設定

資本金をいくらにするか、誰が出資をするか、出資割合はどうするか、出資は現金のみか、あるいは現物出資も併用するかなど、資本面においても様々な決めごとがでてきます。また、株主名簿も作成する必要があります。

資本金は、起業の規模・レベルをわかりやすく外部に示す指標で、会社によっては、以前の株式会社の設立基準の資本金1千万円や、有限会社の設立基準の資本金300万円を取引の基準とする会社もあります。(法務局で全部事項証明書を取得することで、第三者でも資本金の額はわかります)。少なくとも、資本金10万円や50万円程度では、正直「軽視される」おそれがあります。

資本金に関してですが、事前の知識がないと、出資をするときは現金でないと出資ができないと誤解する方もおられます。しかし、経理代行業者を通して専門家が入っていると、「現金に加え現物出資を加えることで、資本金を大きくしましょう」といった提案を受けることもできます。

現物出資のような知識は、知っているか否か、あるいは、専門家に頼んでいるか否かで、活用できるかが変わってきます。

また、出資割合にしても、経営者ができるだけ株式を多く持つこと、3分の2・過半数の資本を自分が保有しなくなることによるマイナス点なども、専門家がいれば、まずい部分は教えてくれますが、自分だけでやっているとわかりません。

例えば、友人二人で共同経営をするときに、お互い半分ずつ出資して、50:50の出資比率になり、数年後にもめたとします。

すると、どちらも過半数を有していないわけですので、役員の選任・解任に必要な普通決議を行うことができません。

なので、経営を続けていく方が株式を買い取らないと、経営に関する様々なことが決定できなくなります。

このようなトラブルを防ぐためにも、設立時からNo1、No2のポジションを決め、出資比率も7対3(経営者が全体の株式の7割を保有するため、役員の選任・退任だけではなく、事業譲渡・合併など会社の重要事項も決定できる)ようにしておくことも、一つの策といえましょう。

これも専門家が一言アドバイスすればすむことなのですが、それに気づかず・・・、そして後でもめたときに、トラブルの収拾に大きなエネルギーと金銭、そして人間関係の亀裂などいろいろなものを失うことになりかねません。

④役員の決定

一人会社の場合は、役員の決定など考えずにすみます。しかし、複数で会社を立ち上げる場合は、「誰が代表取締役になるか(複数も可能)、誰が取締役等の役員になるか、誰が出資をどれくらいするか」などを明確にしないといけません。

株式会社の場合は、経営者=出資者である必要はありません。出資ゼロでも、いわゆる「雇われ社長」というポジションで、代表取締役に就任することができます。(ただし、出資者側が役員の選任・解任の権限を握っているので、出資者の過半数が「あなたは社長として不適格です」という判断を下せば、社長の座を追われることになります。

一方、合同会社などの持分会社は、「経営者・経営陣(代表社員・社員)=出資者」という関係ですので、雇われ社長的なポジションは存在しません。

また、合同会社などの持分会社は役員の任期はありませんが、株式会社の場合は、役員の任期を2年~10年で定める必要があり、これも専門家と検討するのが望ましいでしょう。

いずれにせよ、役員として「誰を船に乗せるか」の選択は重要です。特に役員クラスの場合は、様々な意味で、最後まで裏切らない人材であるかということが非常に重要になります。

あわせてこの時点になると、印鑑作成を印鑑会社に依頼する必要がありますが、これも記帳代行業者に依頼していれば、適切な印鑑製作会社に依頼し、作ってくれるケースが多いです。

⑤定款作成

ここまでは会社設立を行う人が決める部分が大きい事項でしたが、定款作成に関しては、会社設立代行業者を通して、まるごと行政書士に依頼することがおすすめです。行政書士の方で、電子定款への電子署名も行ってくれるため、自分自身で手続きをする時に必要な、定款への4万円の印紙税貼付が不要となります。なお、ワープロソフトで作っただけでは、電子署名とみなされません。

必ず、電子署名を有する専門家の電子署名が必要で、もし電子署名がない場合は、株式会社・合同会社などの持分会社問わず、本来納めるべき印紙税4万円の3倍、12万円を納める必要が出てきます。

なので、定款作成については、署名も含め経理代行業者を通し行政書士に依頼し、電子署名を付与してもらうことが望ましいでしょう。

⑥定款認証手続

株式会社の場合は、公証人役場で、公証人の定款認証手続きを行ってもらう必要があります。(合同会社などの持分会社の場合は不要)

手続きの実費としては5万2千円程度かかり、自分で行う場合は、FAXやメールでの定款内容の事前確認、日時を予約しての公証役場への訪問、役員が複数の場合は、委任状と、自分自身、各役員の印鑑証明取得など非常に手間がかかります。

これも行政書士に依頼していれば、委任状・印鑑証明書の取得以外の手続き全般を、行政書士が代わりに行ってくれます。公証人役場での定款認証自体は、回線トラブルなどなければ20分程度で終わりますが、それまでの準備や、公証人役場とのやりとり自体が、労力と時間を相当使うため、専門家に任せることがよいといえましょう。

⑦登記申請手続

定款が完成(株式会社の場合は、電子定款認証の完了)すれば、残るは登記申請手続きになります。登記は法務局に対して行う手続きで、原則として本人か司法書士のみが手続きをできます(弁護士も可能)。

この登記申請手続きも、いろいろと細かく、かつ厳格です。書類の文字に間違いがあった場合、何字削除、何字加入と訂正するなど、修正の仕方も独特です。

法務局においても、書類が形式に適合しているかは厳格に確認しますので、本人が申請する場合、間違いがあればそのたびに書類補正の為に取りに法務局へ書類を取りに行ったり、郵便物を往復させるなど時間を食うことになります。

何より怖いのが、作成した定款の内容に間違いがあった場合です。もちろん、公証人役場での定款認証では、定款の厳格なチェックは行いますが、事業目的の書き方に問題がある、定款の絶対的記載事項(書いていないと、定款として無効となる要素)が不足しているなど不具合があれば、再度定款認証をし直す必要があるおそれもあります。

いずれにせよ、もし自分で申請する場合は、定款の内容を認証する前に、事前確認(特に、事業目的の書き方)などに問題がないか、事前に調べておくとよいでしょう。

加えて、提出時も書類を指定された順番で綴ったり、一部の書類は単体で置いたりと、様々な意味で、独特な書類作成ルールがあります。

やはりここは、最初から記帳代行業者を通して司法書士に一任し、手続きもオンライン申請(一応一般人でもオンライン申請はできるが、非常に使いづらい)で行ってもらうなど、専門家の力を借りて進めた方が、様々な意味で無駄な労力、時間を使わずに済むといえましょう。

⑧登記完了後の手続

登記手続きから数営業日後、補正などの問題がなければ、登記完了となります。

ただ、この後も印鑑カードの取得、登記事項証明(金融機関での手続き他各種手続きに使うため、2,3枚など余裕を持って取得するケースが多い)の取得など手続きはあるため、こちらも司法書士に任せていれば全て代わりに行って貰えます。

⑨管轄官庁への各種届出

会社設立が終わり、手続きも一段落・・・ということはありません。会社設立後は、税務・労務の手続きが待っています。

税務署・都道府県税事務所・市町村に法人設立届出書を提出し、人の雇用などの上応じ、年金事務所・労働基準監督署・公共職業安定所(いわゆるハローワーク)に書類を提出する必要があります。

もし、会社設立登記までの作業を自分で行っていたとしたら、その時点で相当エネルギーを使っているでしょう。さらにそこから、税務署等役所回りをすると考えると、よほどタフな人でない限り、「もうたいへん・・・」という気持ちになるでしょう。

これも、記帳代行業者と連携する税理士・社会保険労務士に依頼しておけば、全部代わりに代行してくれます。

⑩銀行口座開設・日本政策金融公庫・金融機関への融資申請など

銀行口座開設については、経営者自身でないと行うことができません。公庫や金融機関への融資も、原則として手続きを行うのは経営者自身ですが、公庫・金融機関への紹介を税理士が行うことで、飛び込みで手続きをするよりも、公庫・金融機関の側も警戒することなく対応してくれます。

また、融資申請書類の書き方についても記帳代行業者・税理士の方でレクチャーしてくれるサービスがあるところも多いですので、サービスをしっかり活用し、融資を着実に活用してください。

以上、会社設立手続きの手順について説明してきました。重要な経営・意思決定に集中するためにも、記帳代行業者の紹介する税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士などの専門家に手続きを一任することが望ましいといえましょう。

3-3 記帳代行業者を検討する基準とは?

ポイントになるのは、経理業務への自社内の知識の有無になります。もし知識が豊富であれば、アウトソースを行うコストに対して自社内の業務削減効果が上回る費用対効果が見込めるものを選択する事が出来ます。

一方で、経理業務の知識が少ないあるいはまったくない場合などは、自社内の業務削減効果を把握する事が出来ません。その場合は経理業務全般を依頼する方向の選択になります。但し、この時に再度の低減になりますが“丸投げ”にならないように、自らも業務内容を学ぶ事をサポートしてくれるアウトソース先を選ぶことをお勧めします。

記帳代行業者を検討する基準

①税理士法人・税理士事務所が強く関わっていること

記帳代行業者と税理士は、切っても切り離せない関係です。記帳代行を行ったデータが税理士に行くわけですので、記帳代行業者と税理士の連携が取れている、もしくは税理士法人・税理士事務所などが運営する記帳代行業者であれば、スムースな連携が期待できます。

②値段の高い・安いでは選ばないこと

記帳代行業者・税理士とも、値段、特に安いというだけで選ぶことはあまり望ましくありません。安いということは、なにかを犠牲にしているケースが多かったり、スキルが不十分で安くしないと客が集まらないので、仕方なく安くしている、というケースも想定しうるからです。(もちろん、新規客の囲い込みなど意図を持って安くしている業者もいますが、基本的には「安さには理由がある」と考えておいた方がよいでしょう。

③担当者や関与税理士と直接会い、フィーリングが合うかを確かめること

記帳代行・税務申告は会社の中枢に関わる重要な業務ですが、担当者とスムースにコミュニケーションが取れるかどうかは大切です。

特に初期は、会社設立を行った本人が記帳代行業者や税理士と面会したり、帳簿の見方、決算書の見方など重要な要素をレクチャーしてもらうことも出てくるため、できるだけ最初は会って、なにかと相談しやすい代行業者・税理士についてもらうことが重要です。

④報酬は値切らない

多くの記帳代行業者・税理士は、理由があって価格を設定しています。キャンペーン・お試しなど理由があれば別ですが、理由もなしに報酬を値切るということは、控えることが望ましいです。

ジャンルが異なりますが、ある専門家の先生は、相談の時点でも5千円、1万円などの相談料を徴収しています。

それは、初回を無料にしたり、安値を訴求すると、「値切りをする」「約束を守らない」「指示に従わない」「クレームをやたらとつけ、値引こうとする」「紹介する客がいても、同じように質の悪い客」など、質の悪い顧客が来る、さらに、類は友を呼んでしまい、良いお客様が逃げてしまうから、だそうです。

「払うお金も渋くて、しかも指示を聞かず、一方でクレームは出し、値切る、モンスター顧客」、自分自身が経営者だったら、このような顧客と関わりたいでしょうか?

そう考えると、報酬は値切らず、素直に払うのが当然であり、同じビジネスをする者として正当な対価を相手に支払うのは当たり前だと思っていただけるはずです。

⑤ITに精通していることは必須

これは現代において当たり前・・・と言いたいところですが、全ての記帳代行業者がIT活用(Slackやchatworkを通した連絡、Freee、MFクラウド会計、弥生会計オンライン、TKCのシステムなど)を十分にできているとは限らないのが現状です。

さすがに、連絡は電話かFAXだけという事務所は少なくなりましたが、新しい業態(特にIT系)になると、アフィリエイト・Amazon物販・オンラインサロン、Youtubeを活用したビジネスなど新しい形のビジネスを認知していない事業者・専門家もいないわけではありません。

このようなITに関し新しく出てくるビジネスの形態を理解したり,記帳代行業者、関与する専門家がITを使いこなせるということは、極めて重要といえます。特に、ちょっとしたことを、Slackやchatworkなどを通して業者側に確認できるというのは、非常に便利です。

4 おすすめ経理代行サービス7選

おすすめ経理代行サービス7選

経理業務について、内省化せずアウトソーシング先の選び方は、以下の3つをそれぞれ順番に決定していくと良いでしょう。

  1. ①何を依頼するか…経理業務の何を依頼するかを決定します。
  2. ②どのように依頼するか…背景と目的から期間と費用からアウトソーシングやサービス内容を決定します。
  3. ③誰に依頼するか…類似したアウトソーシングやサービスの中から、自社にあった相手先を決定します。

おすすめのアストソーシングサービスは以下のとおりです。

スマート経理

経理業務全般を長期的に任せるならば、“日本の経営者にさらなる自由を”提供する経理業務の代行サポートが受けられる『スマート経理』をおすすめします。スマート経理は今までのアナログな経理代行サービスとは違う、クラウド化したこれからの経理代行サービスになります。必要書類をスキャンするだけの簡単作業で経理業務のアウトソーシングを実現します。

また、専門の経理スタッフで構成するチーム体制で、全ての経理業務を遠隔でありながら正確かつスピーディーな業務を提供します。専門スタッフがしっかりした導入サポートを行うため、要点を抑えながらもシンプルで網羅的な経理フローが構築できます。請求・支払・給与計算・経費精算・会計入力までアウトソーシングできるスタンダードプランは15万円/月からご利用可能です。スタンダードに資金繰りや融資相談と資産管理も相談できるエキスパートプランも30万円/月からご利用可能です。

Q-TAX経理代行センター

経理業務からコンサルティングまでを長期的に任せるならば、税理士全国チェーンである『Q-TAX経理代行センター』をおすすめします。専門的な知識をもち経理経験3年以上のスタッフが対応し、経理業務全般から記帳代行や振込・支払代行など一つ一つの業務から選択することが出来ます。

また、上場企業からの依頼実績も多く、セキュリティ対策も充分です。また請求書発行代行などの事務作業の軽減も可能です。仕分け代行入力は1万5千円/月からご利用可能です。

フジ子さん

経理業務全般を短期的に任せるならば、必要な時に必要な仕事だけを頼める『フジ子さん』をおすすめします。振込・支払・記帳・経費精算などの経理業務はもちろん、人事や総務やWEB運用など幅広い業務に対応するオンラインアシスタントサービスになります。メールや電話で仕事を依頼する事が出来て、専門性の高いアシスタントが依頼内容に応じてチームで高い実務能力を発揮します。

採用や設備のコストは不要で、1ヶ月4万7千円という業界水準の半額程度という価格設定も大きな強みです。

HELP YOU

経理業務全般を長期に任せるならば、“コア業務に集中できる環境”を作る『HELP YOU』をおすすめします。経理業務だけでなく、人事/採用や総務や営業サポートやECサイト/メディア運用までバックヤード業務全般をカバーし、採用率1%のアシスタントがオンラインとオフラインで業務代行とサポートを行います。費用は時間制で1ヶ月30時間のオンラインアウトソーシングで10万円/月となります。また同様にオンラインとオフラインのアウトソーシングで月間45時間から15万円/月というコースも人気です。

エース会計事務所

経理の中でも記帳や税務や申告などの経理業務を短期的に任せるならば、“累積実績500社以上”の『エース会計事務所』をおすすめします。面倒な対応や事前準備は必要なく、領収書整理から記帳代行まで幅広い業務をカバーします。また専門の税理士が対応する最新・最適な節税方法のアドバイスや、資金調達のための決算や確定申告作成を行う事が出来ます。東京都にある会社ではありますが、スタッフを派遣できるため全国対応が可能です。

領収書整理と記帳代行で4万円/月とリーズナブルな価格のため、中小企業の起業時にもおすすめです。

メリービズ バーチャル経理アシスタント

一歩先の経理業務を長期的に任せるならば、“あなたの会社の経理部に”なる『メリービズ』をおすすめします。バーチャル経理アシスタントとは、簿記2級以上の実務経験を持つ経理専門スタッフ700名以上のスタッフによるオンラインアウトソーシングサービスになります。弥生会計やマネーフォワードなどからセールスフォースやkintoneなどのクラウドプラットフォームにも対応可能で、オンラインであっても丁寧でかゆいところに手が届く高いホスピタリティを実現しています。

社員数20名前後の規模の会社での月次仕分入力代行で10~15万円/月、経理業務全般で25万円~40万円/月となります。

経理・確定申告 税理士サポート

東京都23区を中心に東京都内の個人事業主の確定申告を短期的に任せるならば、『経理・確定申告税理士サポート』をおすすめします。地域が限定されている事もありますが、個人事業主に特化して必要なサービスを絞る事で1万5千円/月という低価格を実電しています。また、開業時などで経理業務や税金や確定申告の知識が不足している場合にも基礎知識から説明を受ける事が出来ます。また個人事業者向けの節税対策や資金繰りなどのファイナンスアドバイスを受ける事も可能です。

5 経理業務をアウトソーシングする際の注意点

経理業務をアウトソーシングする際の注意点

事業を行っていると、継続して必ずやらなければいけないものの一つが『経理業務』です。経理業務の目的は、事業活動に関わるすべての管理が目的となります。そしてその管理の方法が、お金の動きの記録・管理です。法人で具体的にいえば、損益計算書で『収益』を、貸借対照表で『資産』を管理します。また、日々のお金の入金や支払等の現金の管理も行います。経理業務でお金とその動きを管理する事で、経営状態が表われてきます。

しかし業務全てを相手に任せてしまうといういわゆる“丸投げ”をする実行する方もいます。この丸投げには注意が必要です。丸投げをした結果、思っていた資料が出てこない、追加費用を請求される、契約期間を縛られる、などの経営にとってマイナスな事象が発生しかねません。特に、経理はお金を持ち逃げされるという最悪の事態が起きる事も想定できます。

協力関係を構築できる、信頼のおける企業のアウトソーシングサービスを利用する必要があります。

6 まとめ

まとめ

会社設立後の経理・税務の手続きも煩雑です。特に記帳は毎日なり短いスパンでの記帳となるので、ともかく事務量が多くなります。

そのため、最初はできるだけ記帳代行業者に一任し、可能であればできるだけ早いサイクルで記帳をしてもらい、その他の手続きも任せ、経営者は営業やプロダクト作りに集中する、このように、会社の売上・実績に繋がる要素にエネルギーを傾け、他の部分は極力最小の負担で済むようにする、という割り切りが大事ではないでしょうか。

また、記帳代行業者は業務の性質上、税理士・社会保険労務士・行政書士・司法書士・弁護士など様々な専門家とつながりを持っています。

そのつながりがあるから、ゼロから専門家を探すよりも確実かつ自社に適任な専門家を紹介してくれる可能性が高くなる、これも記帳代行業者を活用するメリットの一つといえましょう。

会社設立・起業をすると、山のように仕事、決断することが押し寄せてきます。例えば仕分け一つにしても、「これはどの仕分けだっけ?経費になるのだっけ?」と経営者が自分でやっているようでは、経営者として取り組むべき本分に取り組まず、小銭を節約するために雑務に逃げているようにしか見られかねません。

小さなことであっても、意思決定はエネルギーを使います。数が増えればなおさらです。その中でも経理のような、重要だけれど利益を産まない、そして意思力を使う、こういう分野こそ、記帳代行業者に任せることが、望ましいでしょう。

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