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国内の起業関心層、わずか14.3% 〜起業人口を増やすためには何が必要?

日本政策金融公庫総合研究所による調査で、18歳~69歳の男女で、起業に関心がある割合は14.3%起業家はわずか1.5%にとどまることがわかりました。

調査では、事業経験の有無や起業への関心の有無などが問われましたが、「事業経験がなく」かつ「以前も今も起業に関心のない」とする起業無関心層の割合は60.6%を占めました。

改めて判明した日本の起業意識の低さ。政府は開業率10%台を目標に掲げ、経済産業省を中心にさまざまな起業支援に取り組むも、結果に結びついていない状況ともいえます。

果たしてどうすれば起業人口は増えるのか。本記事では、日本政策金融公庫総合研究所が今年1月に公表した「起業と起業意識に関する調査」をもとに、起業意識の実態を詳細に見ていきます。

起業意識に関する実態調査結果

全国の18歳~69歳までの男女31万7861人を対象に、「事業経営経験の有無」「自分か起業したかどうか」「起業時期」「起業への関心の有無」の4つの項目を中心に調査は行われました。

起業関心層はわずか14.3%

調査によると、経営経験がなく現在起業に関心がある起業関心層の割合は14.3%、一方、事業経験がなく以前も現在も起業に関心がない人は60.6%におよびました。
このほか、自分で事業を起業し、現在も経営している人は1.5%にとどまっていることが分かりました。

男女別では、起業家では男性2.3%、女性0.7%、起業関心層では男性17.7%、女性11.0%となりました。また、起業に興味がない層は、男性では半数近くおり、女性に至っては7割超におよびました。

事業を経営したことがない人の「起業への関心」

内容 男性 女性 全体
起業に関心あり 17.7% 11.0% 14.3%
以前は起業に関心があった 11.1% 8.3% 9.7%
以前も今も起業に関心なし 49.4% 71.9% 60.6%

現在事業を経営している人

起業年 男性 女性 全体
2011~2016年 2.3% 0.7% 1.5%
2001~2010年 3.4% 0.7% 2.0%
2000年以前 3.7% 0.9% 2.3%

(日本政策金融公庫総合研究所公表資料より作成)

実は起業関心層の多くが若者

年齢別に起業関心層を見てみると、「29歳以下」26.3%、「30歳代」26.9%と30歳代以下が53.2%を占めており、相対的に若いことがわかりました。

起業無関心層を見ても、「29歳以下」17.9%、「30歳代」18.5%、「40歳代」22.5%、「50歳代」18.5%、「60歳代」22.6%となっており、年齢が高いほど起業に対する関心が低くなっています。

年齢別の起業家、起業関心層、起業無関心層の割合

  起業家 起業関心層 起業無関心層
29歳以下 20.0% 26.3% 17.9%
30歳代 28.6% 26.9% 18.5%
40歳代 24.1% 23.7% 22.5%
50歳代 16.1% 15.2% 18.5%
60歳代 11.3% 7.9% 22.6%

(日本政策金融公庫総合研究所公表資料より作成)

起業に無関心な人ほど身近に起業家がいない?

身近に起業家がいるかどうかを調査したところ、起業無関心層では「いない」と答えた人が7割を超えました。一方、起業家では28.4%にとどまり、起業関心層では43.0%となりました。

起業家の中で「身近に起業家がいる」と答えた人をみると、「友人・知人」が31.9%と最も高く、次いで、「両親」30.2%、「その他の親戚」27.0%、「勤務先の同僚等」15.0%、「勤務先の取引先」8.7%、「祖父母8.6%」、「配偶者」3.7%と続きました。

調査では、身近に起業家がいるかどうかが、起業意欲に大きく影響することがわかりました。

身近に起業家が「いない」と答えた割合

起業家 28.4%
起業関心層 43.0%
起業無関心層 70.8%

身近な起業家の存在

  起業家 起業関心層 起業無関心層
両親 30.2% 21.9% 8.9%
祖父母 8.6% 5.5% 3.4%
配偶者 3.7% 1.7% 3.9%
その他の親戚 27.0% 21.6% 12.8%
勤務先の同僚等 15.0% 108% 1.8%
勤務先の取引先 8.7% 6.4% 0.6%
友人・知人 31.9% 26.2% 8.4%

(日本政策金融公庫総合研究所公表資料より作成)

起業関心層が起業しない理由

起業関心層に対して起業していない理由を調査(複数回答)したところ、「自己資金が不足している」が最も多く58.6%となりました。

経験不足、知識不足を不安視する声も多数

次いで、「失敗したときのリスクが大きい」37.5%、「ビジネスのアイデアが思いつかない」34.6%、「十分な収入が得られそうにない」27.1%、「財務・税務・法務など事業の運営に関する知識・ノウハウが不足している」24.0%、「製品・商品・サービスに関する知識や技術が不足している」22.2%、「仕入れ・流通・宣伝など商品の供給に関する知識・ノウハウが不足している」21.4%と続きました。

資金不足を理由とするものが最も多かったものの、知識不足や業界知識不足を理由とするものも多く見受けられました。

「起業していない理由」で多かった上位10個

内容 割合
自己資金が不足している 58.6%
失敗したときのリスクが大きい 37.5%
ビジネスのアイデアが思いつかない 34.6%
十分な収入が得られそうにない 27.1%
財務・税務・法務など事業の運営に関する知識・ノウハウが不足している 24.0%
製品・商品・サービスに関する知識や技術が不足している 22.2%
仕入れ・流通・宣伝など商品の供給に関する知識・ノウハウが不足している 21.4%
起業について相談できる相手がいない 17.4%
外部資金の調達が難しそう 17.2%
起業に必要な資格や許認可などを取得できていない 15.1%

(日本政策金融公庫総合研究所公表資料より作成)

起業費用、「100万円未満」が最多

次に実際にかかった起業費用を尋ねた調査では、「100万円未満」が54.3%と最も多かったことがわかりました。次いで「100万円以上500万円未満」29.0%、「500万円以上1000万円未満」7.5%、「2000万円以上」6.3%、「1000万円以上2000万円未満」2.9%と続きました。

起業費用階級別の割合

内容 割合
100万円未満 54.3%
100万円以上500万円未満 29.0%
500万円以上1000万円未満 7.5%
1000万円以上2000万円未満 2.9%
2000万円以上 6.3%

どうすれば起業人口が増えるのか

創業・起業の促進における課題として、中小企業庁は昨年末公表した資料のなかで、①実際の創業における困難(資金・ノウハウ)、②創業を考える人そのものが少ない(環境・意識)の2つを挙げました。

その解決の方向性として、現時点で多くの日本人は失敗した時のことを想定して無借金での創業を選ぶ傾向にあり、融資の活用も上昇しているが、融資制度の利便性を高めることで融資の活用件数を高めていくことが重要であると述べました。

また、経営ノウハウについては、全国で身近に創業の知識を学べる場所が必要であるとし、全国どの地域でも偏りなく創業に必要な知識が習得できる環境を整備していくことが必要だと強調しました。

また、起業時の補助金などの周知活動を強めることで、政府が「創業を促進」していることを広く知ってもらい、地域に身近な創業者を増やすことが起業無関心層のパラダイムシフトにつながるとしました。

政府は今後、日本再興戦略の中で掲げた「開業率10%」「起業活動指数を今後10年間で倍増」などの目標達成に向けた取り組みを強化するとの方針を示しています。