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海外不動産投資を利用した節税対策とは 〜減価償却費を解説!〜

不動産投資の魅力のひとつは、所得税・住民税の節税対策になることでしょう。そして海外不動産を購入して運用する場合には、国内物件以上の効果が期待できます。そこで今回は、海外不動産投資を利用した節税対策についてご紹介します。

海外不動産投資が節税対策になる理由

国内不動産投資でも節税できますが、海外不動産投資の場合にはその効果は大きくなります。その理由はなぜなのかをご紹介します。

不動産投資による節税のしくみ

基本的なことですが、不動産投資での節税について説明します。これは海外で保有する不動産に対しても適用されます。

保有する不動産を賃貸貸しすることで得る家賃収入は、給与などの課税所得と合算することができます。つまり、その不動産投資で発生した経費も確定申告において計上できるので、課税所得を下げることができるわけです。確定申告で課税所得を下げることにより、すでに納めた所得税の還付を受け、さらに住民税も少なくすることができます。

経費として計上できるのは、賃貸貸しのために必要となる管理費や修繕費、保険料や租税公課などです。さらに不動産を購入するために借り入れたローンの利息部分や建物・付属設備における減価償却費があります。

海外不動産投資で大きな節税メリットがあるのは、このうち減価償却費を大きく計上できる点にあります。

海外不動産投資で節税効果が大きな理由

海外不動産投資は節税メリットが大きいと言われます。その理由は2つあります。
まず日本において減価償却費として計上できるのは、不動産の建物や付属設備部分だけで、土地は含まれません。そして海外で保有する不動産に関しても、国内と同様に建物・設備部分のみ減価償却費を計算することになります。

一方でその土地と建物の割合をみると、日本よりも海外の方が建物の比率が高くなる傾向があります。欧米では築年数に関わらず建物の価値はさほど落ちないと言われますが、日本では建物の価値はすぐに落ちてしまいます。たとえばハワイのワイキキにあるコンドミニアムの場合、築50年を超えても建物比率が90%前後という物件があります。つまり経費計上できる減価償却費が、海外不動産の場合大きくなるというわけです。

東南アジアでは木造一戸建てを購入するのは難しいのですが、たとえばアメリカの木造住宅を購入すると、さらに節税効果が高くなります。減価償却できる建物の比率が高い上に、築年数が22年を超える木造物件は、4年間での償却ができるようになります。つまり4年間で計上できる経費が多くなるというわけです。そしてそのような短期間では不動産価格自体はほとんど落ちないことから、購入時とさほど変わらない価格で転売することも可能となります。そのためにこの節税効果のみを享受する形で物件を手放すこ

とが可能というわけです。

あるいはベトナムの不動産には、鉄筋レンガ造りとなる物件があります。減価償却における法定耐用年数は、レンガ造りの場合コンクリートよりも短くなります。その分、1回あたりの減価償却費が大きくなり節税効果が高くなります。もちろんこの場合、デベロッパーに頼んでレンガ造りであることを証明する書類をもらう必要があります。法定耐用年数は国税庁のホームページで確認できますが、下記にも記しておきます。

鉄骨鉄筋コンクリート 47年
レンガ造り 38年
木造 22年
建物設備 15年

減価償却費の計算方法

ここで減価償却費の計算について説明します。不動産を購入したら、まずその建物・付属設備と土地の割合を算出します。中古物件の場合には、売買契約書に明記されている場合もあります。そのうち、建物の取得費用に対して減価償却費を計算します。これから取得する物件に関しては減価償却の方法は定額法のみ適用されますが、平成28年3月31日までに取得した不動産に関しては建物設備のみ定率法を選ぶこともできます。そして減価償却費は、

建物の取得金額×償却率

で算出します。定率法の場合には、

(建物設備の取得価格-前年度までの償却費の総額)×償却率

となります。

中古で取得した不動産の場合、耐用年数を計算する必要があります。上記に記した法定耐用年数を超えていない場合には、

耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2(端数切捨て)

で算出します。一方で法定耐用年数を超えている物件に関しては、

耐用年数=法定耐用年数×0.2(端数切捨て)

で計算します。つまり木造造りで築22年を超える物件は、耐用年数4年となるわけです。減価償却費については4章でさらに詳述します。

海外不動産投資で節税する方法

それでは具体的に海外不動産投資で節税をするための方法をご紹介します。

外国税額控除の申告を忘れずに

まず現地で得た家賃収入に対して、現地で課税され税金を納めます。不動産所得に対する税率は国によって異なります。ちなみにアメリカの場合は、家賃収入の30%を源泉徴収されるか、確定申告で必要経費を計上したうえで課税所得を申告するかどちらかを選びます。源泉徴収は借り手が支払うので、オーナーは申告の必要がありません。ただし事前にForm W8-BENを提出しておかなければ、自動的に源泉徴収されるので注意が必要です。確定申告の場合には、日本と同様に管理費や減価償却費、支払い利息などを経

費計上します。

減価償却はそれぞれの国の税法で違います。さらに国によっては減価償却そのものができないところがあります。たとえばイギリスやマレーシアは減価償却制度がありません。さらにマレーシアの場合、経費として計上できるものがかなり制限されていることにも注意が必要です。

次に日本で確定申告をします。この時、まず海外で得た賃貸の所得金額を日本での所得金額と合算し、税率を掛けて所得税額を算出します。この時に不動産の賃貸運用で要した経費を計上することで、課税所得金額を大きく引き下げることになります。これが節税効果というわけです。

その所得税額から、さらに海外で支払った所得税額を差し引いた残りの金額が最終的な所得税額になります。この所得税額と源泉徴収された所得税額との差額が還付されます。

申告の際には海外で所得税を納付したことを証明する書類が必要です。源泉徴収票や確定申告書の写しと納税証明書などを確定申告書に添付します。

経費計上できる経費について

海外不動産投資における確定申告での経費として認められるものは、以下のようになります。

・ 経費として認められる費用
1 租税公課
2 損害保険料
3 減価償却費
4 借入金利息
5 管理費
6 修繕費
7 交通費
8 通信費
9 新聞図書費
10 接待交通費
11 消耗品費
12 その他税理士への依頼費用

たとえば租税公課には、コンドミニアム購入時に納める付加価値税などが該当します。損害保険料では海外の場合、賃借人ではなくオーナーが加入するケースがあるので経費に計上できます。新聞図書費には、現地の不動産動向などをチェックするために購入する新聞や本などが含まれます。そして交通費としては、購入前の視察や購入後の物件確認のため現地へ足を運ぶ際の渡航費などを計上できます。バカンスを兼ねての渡航費も経費計上できるというわけです。

外国税額控除について

海外で納付した税金は、実は無制限に控除できるわけではなく限度額があるので注意が必要です。控除できるのはあくまでも、総所得税額における国外の所得税額分のみまでとなっています。たとえば国外不動産所得が200万円で国内所得と合算した総所得金額が1,000万円だとします。そしてその総所得金額1,000万円に対し、全ての控除を引いたうえでの所得税額が140万円であったとします。この場合、

140(万円)×(200(万円)÷1,000(万円))=28(万円)

が外国税額控除の上限となります。アメリカの場合、源泉徴収されると所得金額は200×30%=60万円です。このうち控除できるのは28万円までとなるわけです。もちろん確定申告を行ってアメリカでも減価償却費などを控除しておけば、所得税はもっと少なくなります。

ただし、このように海外で納付した所得税が控除額よりも多くなる場合には、住民税の所得割額で控除することになります。まず最初に県民税所得割×12%を限度に控除し、それでもまだ控除しきれない金額があれば次は市民税所得割×18%を限度に控除します。それでもまだ残る場合には、翌年以降最大3年間繰り越しで申告することができます。

確定申告の申告時期について

外国税額控除は海外で納付した所得税を控除する制度です。つまり実際に現地での納付が終わってから申告するので注意が必要です。たとえばアメリカの場合、所得税の納付期限は4月15日です。一方で日本の確定申告の期限は3月15日なので、3月15日を過ぎてからアメリカで所得税を納付した場合、外国税額控除を申告できるのは翌年ということになります。タイムラグが生じるので注意が必要です。

為替換算について

外国税額控除を申告する際には、国外の所得を日本円に為替換算します。この場合のレートは原則としてTTM(仲値)を使います。TTMは買値と売値の中間値となり、金融機関が外貨売買に用いる為替レートです。ただし、毎年継続して確定申告をする場合には外貨買いのTTSや外貨売りのTTBを使って有利に換算することができます。たとえば減価償却の場合、建物の取得日におけるTTSで計算し、借入金の金利や建物の保険料などは発生日のTTSで換算します。収入に関してはTTBで換算するので、収入はより少ない円で換算し経費は多い円で換算できるので税額上では有利と言えます。

海外不動産投資における節税での注意点

節税効果の高い海外不動産投資ですが、注意すべきこともいくつかあります。事前にチェックしておくことが必要です。

租税条約を結んでいる国の不動産を購入すること

まず外国税額控除ができる租税条約を結んでいる国の不動産を保有することが必要です。国交がない国とは租税条約を結んでいませんし、たとえば台湾とも租税条約は締結していません。

アイルランド カナダ ドイツ ブルガリア
アメリカ 韓国 トルコ ベルギー
イスラエル ザンビア ニュージーランド ポーランド
イタリア シンガポール ノールウェー マレーシア
インド スイス パキスタン 南アフリカ
インドネシア スウェーデン ハンガリー メキシコ
イギリス スペイン バングラデシュ ルーマニア
ベトナム スリランカ フィジー ルクセンブルク
エジプト タイ フィリピン 旧ソ連
オーストラリア 中国 フィンランド  
オーストリア 旧チェコスロヴァキア ブラジル
オランダ デンマーク フランス

(参照:国税庁 租税条約締結国一覧表)

確定申告では外国税額控除に統一すること

実は海外で納めた所得税は、外国税額控除としてではなく経費として計上することもできます。もちろん経費として計上するよりも外国税額控除として計上した方が還付金額が大きくなります。ただし注意が必要なのは、全ての海外所得における所得税は外国税額控除か経費計上かのどちらかに統一しなければならないということです。不動産所得以外にも所得税を納めている場合、他で経費計上するのであれば不動産所得に関しても同じように経費計上しなければなりません。

税制改正に注意を

海外不動産投資は高額所得者にとっては大きな節税効果が期待できます。これは築年数の古い物件の場合、建物の価値が落ちにくいことによる減価償却費の大きさが寄与するからです。そこで国内の会計検査院が2016年11月に、財務省が国外の中古建物に係る減価償却費の在り方を検討する必要がある旨のレポートを出しています。

現状としては、2018年12月22日に閣議決定された2018年度の税制改正大綱の中には、海外不動産投資に関する改正は入っていませんでした。けれども一部の投資家が享受する海外不動産における節税効果に関しては、変わらずに注意の目が向けられています。今後の税制改革には注意が必要でしょう。

減価償却とは

海外不動産投資は節税対策として特に高額納税者に人気があります。その理由のひとつに、減価償却による経費計上があります。今回はこの減価償却の仕組みとメリット、さらに注意点をご紹介します。

減価償却は経費として計上できる

不動産投資での経費として大きな割合を占める減価償却についてご紹介します。

減価償却とは、直接出費する経費ではなく、会計上で算出される経費のことです。事業のために購入した資産を毎年経費として資産価値から差し引きます。たとえば工場の機械のように収益を生み出し、年数の経過とともに劣化しやがて価値がなくなるものに対して適用されます。減価償却が終われば、対象の資産は無価値とみなされます。

不動産も投資目的で保有する場合、建物本体をやがて価値がゼロになるまで経費として計上できます。ただし劣化する資産のみ減価償却の対象となるので、土地は対象とはなりません。そこで建物本体のみを経費として一定期間計上します。建物本体はその構造体によって償却期間が異なります。たとえば躯体と設備とに分けると、躯体の方が長く設備の方は短く償却されます。

設備は15年が経過すると無価値になりますが、これはあくまでも会計上の話です。そして不動産所得を得るための経費として、課税所得から差し引くことができます。これが減価償却のメリットとなります。

減価償却が節税につながる理由

不動産投資が節税に利用される理由は、不動産所得が他の所得と合算できるからです。サラリーマンの場合には所得税を源泉徴収によって引かれ、さらに住民税も納付します。けれども不動産投資による所得は会社の給与などと合算できるので、その不動産投資で発生する減価償却費を経費として計上できるというわけです。

一般的に不動産投資は、賃貸運用による所得よりも減価償却費や他の経費の方が上回ることで、赤字経営として申告できます。その赤字分は給与などの所得と合算できるので、所得税と住民税が安くなります。これが減価償却の魅力であり節税効果につながるというわけです。

耐用年数について

減価償却できる期間を耐用年数といいます。この期間が経過すると対象の資産は無価値になるとみなされます。つまり資産の購入金額を、耐用年数に分けて経費計上するというわけです。そして不動産の場合、その構造によって耐用年数が違います。これを法定耐用年数と呼び、国税庁からその年数が公表されています。鉄骨鉄筋コンクリートは47年、れんが作りは38年、木造は22年、木骨モルタルは20年、建物設備は15年です。

たとえばマンションの場合、躯体は鉄骨鉄筋コンクリートなので47年かけて費用計上します。もちろんこれは新築で購入した場合の話で、中古での購入だと耐用年数は少なくなります。

中古で購入した場合の耐用年数の算出方法

たとえば築15年のマンションを購入するとします。新築であれば躯体の耐用年数は47年なので、残りの32年が償却期間のように思われます。けれども実際には、耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%で残りの耐用年数を算出します。

つまり築15年のマンションの躯体は、47-15+15×20%=35年となります。一方で設備の場合には法定耐用年数の15年を過ぎているので、これ以上は減価償却できないかというとそうではありません。耐用年数を超えている場合には、耐用年数=法定耐用年数×20%で償却期間を計算します。

築年数が47年を超えるマンションの場合には、47×20%=9年が設備の残り耐用年数となります。

減価償却の計算方法

それでは次に減価償却の計算方法をご紹介します。減価償却は定額法と定率法の2種類の方法で計算できますが、2016年4月1日以降に取得した不動産に関してはすべて定額法で計算するように定められています。それより前に取得していれば、付属設備のみ定率法でも計算できます。定率法は同じ率で残りの資産額を掛けて算出するので、最初のうちは大きな額で経費計上できるようになります。

定額法の場合、耐用年数ごとに償却率というものが国税庁から発表されています。たとえば耐用年数47年の場合には取得金額に償却率0.022を掛けた金額を毎年経費計上します。木造なら償却率は0.046となっています。これを毎年、不動産所得から差し引くというわけです。

もし新築で購入すれば、たとえばマンションなら47年かけて償却します。けれども海外の中古物件を購入して短い期間で減価償却する場合には、償却費が大きくなる場合があります。

日本の場合には新築マンションを建物取得費2,000万円で購入すれば、毎年の償却費は2,000万円×0.022=44万円となります。

もし築20年のマンションを建物取得費1,000万円で購入したら、耐用年数が47-20+20×20%=31年となります。耐用年数31年の償却率は0.033なので、1,000×0.033=33万円を減価償却費として毎年計上できます。これが海外不動産の場合には、さらに償却費が高くなるケースがあるのです。その理由を次にご紹介します。

海外不動産で効果が高い理由

それでは海外不動産投資がなぜ人気を集めるのか、その理由をご紹介します。

海外不動産も日本の税法に適用される

海外不動産で投資をする場合にも、日本での確定申告が必要です。海外で得た不動産所得は、たとえ日本の口座に送金しないとしても、日本での申告が必要となります。また現地で不動産所得に対して源泉徴収されたとしても、やはり日本でも課税されます。

もちろん海外と日本とで二重に課税されては、税金の負担は大きくなります。そこで海外税額控除という制度を利用することで、限度はありますが海外で納付した税金を確定申告で控除できます。

日本での確定申告では、たとえ海外の不動産であっても日本の税法に従った減価償却の計算を行います。耐用年数も国内の不動産と変わりません。中古で購入した場合もやはり、前述の方法で計算します。実はここに、海外不動産投資が高額納税者にとって有利と言える理由があります。

海外不動産の減価償却が大きい理由

高額納税者はわざわざ海外の不動産を取得し、賃貸運用を行って節税に役立てています。その理由は、国内の不動産よりも海外の不動産の方が減価償却を大きく計上できるからです。

日本はそもそも土地と建物の取得金額の比率をみると、土地の割合が多いのが特徴です。特に中古となれば建物の劣化が大きいために、さらに建物の比率は下がります。となれば経費計上できる減価償却が少なくなり、節税効果も少なくなります。

一方で海外の不動産、特に欧米の物件は築年数の経過による建物の劣化は少ないものです。そのために建物の取得金額の割合が高く、減価償却も大きく計上できます。中古物件を購入すれば、償却期間が短くなるので1回あたりの経費は大きくなります。その分所得金額を大きく引き下げることになり、税率を下げることでさらに税金を安くできます。

メリットが大きな木造物件

東南アジアで不動産を購入するとなると、ほとんどがコンドミニアムとなります。土地の保有を認められない国が多いためですが、節税効果が最も高いのは木造による土地付き一戸建て住宅です。たとえばハワイなどの物件であれば、築年数に関わらず資産価値がさほど落ちませんし、耐用年数を大きく下げることができます。

築22年を超える物件であれば、耐用年数は4年となるので節税効果も相当に大きくなります。中古市場も活発なので転売も苦労せずにできます。ただし5年以上保有してから売却しないと、売却益の税率が高くなるので注意が必要です。

減価償却の注意点

良いことばかりに見える減価償却ですが、もちろん注意点もいくつかあります。特に税金面で有利となる海外不動産における減価償却の税制改正はチェックが必要です。

海外でも減価償却の申告を

たとえばアメリカで不動産投資を行うと、その所得に対する税金を源泉徴収されます。けれども申告することによって、他の経費とともに減価償却費も計上できます。

外国税額控除が利用できるとはいえ、限度額もありますし必ずしもすべてを控除できるとは限りません。そこで減価償却制度がある国では忘れずに、申告をすることが大切です。国によっては減価償却制度や海外税額控除が適用されないところがあるので、不動産を購入する前にチェックしておきましょう。

売却時における注意点

減価償却は経費計上できるものなので、税金を大きく引き下げることができます、一方でこの減価償却は資産価値を減少させるものなので、購入金額もそれに応じて下がります。つまり売却時に、不動産購入価格が引き下げられるために売却益が大きくなるというわけです。

その結果、売却益に対する税金が高くなるので注意が必要となります。特に短期売却となれば税率も高くなるので、節税効果を打ち消すことにならないか事前にチェックしておきましょう。欧米の物件は短期間での売却ではほとんど値下がりしない場合もあります。あるいは逆に値上がりするケースもあるので、キャピタルゲイン税をかなり徴収されます。

なおキャピタルゲイン税は他の所得とは分離して課税されます。つまり他に保有する不動産があっても、その赤字分で相殺することはできないということです。

減価償却に対する法改正に注意を

海外不動産での節税効果が高いことには、以前から注目されていました。一部の高額納税者に有利となるために、減価償却に関する規制の声が出ていたのです。

会計検査院の報告では、日本の住宅が建築から滅失するまでの平均年数は32年ほどであることに対して、アメリカの場合には66年ほどであることが指摘されています。イギリスの場合には実に80年ほどと日本よりも長期間使用できることにより、その資産価値の劣化が少ないことが指摘されているわけです。これを利用することで減価償却効果を高め、節税効果を高めることにつながります。

そこで今後の税制改正では、海外不動産に対する減価償却のルールを変えることが予測できます。たとえば国内物件よりも償却期間を長くして、経費計上を少なくするといったものです。あるいは中古物件を購入した時の耐用年数の計算方法を見直すことも考えられます。いずれにしても国内の不動産よりも有利に節税できる点を見直される可能性があります。

ただし2018年度の税制改正では、海外不動産に対する規制案は盛り込まれていませんでした。けれども今回は見送られても、いつ税制改正が行われるかわかりません。今後の動向には注意が必要です。

社団法人設立が全国一律27,800円!KiND行政書士事務所:東京