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財団法人の評議員の役割

一般社団法人の最高意思決定機関が社員総会なのに対し、社員がいない財団法人では評議員が評議会をつくり、理事の業務執行のお目付役として役割を担います

評議員は3人以上必要任期は4年。理事や監事と兼任することができません。また、役員の一つであり財団法人とは委任関係にあります。そのため、民法644条の善管注意義務を負います。

今回は、評議員と評議員会について詳しく見ていきます。


評議員は財団法人の業務を正しくコントロールするのが仕事

評議員の基本的な職務は理事含めた役員(監事、会計監査人など)の業務が財団の運営方針に沿ったものかを評価することです。違反があればその役員を解任することができます。財団法人では必置の機関であり、3人以上が必要と法律(一般社団法人及び一般財団法人に関する法令)で定められています。また、理事、監事および使用人との兼任は禁止となります。任期は原則4年ですが、定款で定めることで6年まで延長可能です。

選任方法は財団設立時に定款で定める

評議員の選任は、財団設立時にあらかじめ、その方法を定めておく必要があります。ただし、次のような場合を除きます。

無効となる定款の定め
1. 評議員を理事または理事会が選任・解任する旨の定め
2. 評議員会の決議を必要とする事項に関して、理事・理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができる旨の定め
3. 設立者に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定め

選定方法には評議員による互選(互いに選挙して選ぶこと)や評議員会の決議によって選出します。職務の怠慢などがあった場合、決議によって解任することができます。

評議員は必置の機関

一般財団法人では評議員は必ず設置しなければならない役員です。このほか、評議員会、理事、理事会、監事も同様です。会計監査人は、資産200億円以上の大規模一般財団法人の場合にのみ、必須の機関となります。


評議員会で決議可能な事項とは

理事や監事の選任・解任は評議員会の決議事項です。この定款の変更、事業の全部譲渡などの重要事項も決定することができます。決議要件は議決に参加することができる評議員の過半数が出席し、その過半数の同意で決議となります。ただし、定款でこれ以上の割合を決議要件とすることも可能です。

普通決議と特別決議

評議員会には事業年度の終了時に開かれる「定時評議員会」と、臨時(必要があるとき)に開かれる「臨時評議員会」があります。原則理事が招集しますが、評議員は理事に対して招集を請求することができます(第180条)。

一般社団法人の社員総会が最高意思決定機関であるのに対して、評議員会で決議できる事項は限りがあります。決議は過半数をもって行われる「普通決議」と3分の2以上をもって行われる「特別決議」に分けられます。

「普通決議」事項には、役員(理事、監事、会計監査人)の選任や、役員報酬額の決定、計算書類の承認があります。

一方、「特別決議」事項には、監事の解任、役員の責任の一部免除、定款変更、事業の全部譲渡、清算が終了するまでの財団の継続、合併の承認などがあります。

普通決議 理事、監事、会計監査人の選任
理事、監事、会計監査人の報酬額
計算書類、事業報告書の承認
特別決議 監事の解任(176条)
役員の責任の一部免除(198条)
定款変更(200条)
事業の全部譲渡(201条)
清算が終了するまでの財団の継続(204条)
吸収合併契約の承認(247条、251条)

評議員が負う責任

評議員は財団法人と委任関係にあるため、民法上の善管注意義務(644条)の義務を負うほかに、財団法人や第三者に対して損害賠償責任などを負います。

損害賠償責任(198条) 理事、監事、会計監査人、評議員は、任務を怠ったとき、一般財団法人に対し、損害賠償責任を負う
理事、監事、会計監査人、評議員はその職務について悪意・重大過失があったときは、これによって第三者に生じた損害賠償責任を負う
理事、監事、会計監査人、評議員は一般財団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合で、他の役員等も損害賠償責任を負うときは、これらの者は連帯責任とする

評議員会の招集の仕方

評議員会は、原則、理事による招集によって開催されますが、評議員が招集を請求することも可能です。その際、評議員会を開催する目的や理由を明確に示さなければなりません。正当な招集請求手続きを踏んでも理事がこれを行わなかった場合、裁判所の許可を得ることで評議員会を招集することができます。

招集の通知

評議員を開催する場合、「1.日時と場所」「2.開催目的」を理事会決議で定めておく必要があります。

そのうえで、理事が開催1週間前までに書面で通知を行います。メールによる通知も可能です。
なお、評議員全員の同意がある場合は招集手続きを経ることなく、評議員会を開催できます。

議案の請求も可能

このほか、評議員は評議員会の目的に関する事柄について議案を提出することもできます。その際、招集請求は開催日の4週間前までに済ませなければなりません。

第185条 評議員は、評議員会において、評議員会の目的に関係する事項について議案を提出することができる。
ただし、その議案が定款に違反する場合、または実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過している場合に限る。

また、評議員は招集手続き、決議方法を調査する検査役を裁判所に対して申し立てることができます。検査役は必要な調査を行ったら、その結果を裁判所に報告しなければなりません。なお、検査役の報酬額は一般財団法人が定めることもできます。