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一般法人、公益法人に科せられる刑事罰

一般社団法人の役員(理事、監事、評議員など)はその職務を怠ったことで第三者または社団法人に対して生じた損害を賠償する責任を負っています(一般社団法人および一般財団法人に関する法律111、117条。以下「一般法」と呼ぶ)。

このほか、一般法では法人に意図的な損害を発生させた理事等の役員に対して厳しい刑事罰を設けています。公益法人についても同様です。

2008年の公益法人制度改革を機にガバナンスが抜本的に見直され、併せて役員に対する刑事罰を明確化されました。

一般社団法人、一般財団法人および公益法人はどのような刑事罰を負うのか。詳しく見ていきましょう。


一般法人の役員に科せられる罰則

一般社団法人や一般財団法人の役員(理事、代表理事、監事、評議員)に対する罰則は一般法の334条から344条で規定されています。

自分の利益のためまたは社団法人に損害を与える目的で職務に背いた行為に「特別背任罪」、法律・定款の規定に違反して基金の返還をしたときは「法人財産処分に関する罪」、重要な事項について虚偽の記載をした場合は「虚偽文書行使罪」、不正の請託を受けて利益を受けたときは「贈収賄罪」が、それぞれ適用されます。

特別背任罪

「自分の利益、もしくは第三者の利益」のため、または「一般社団法人などに意図的に損額を加える」ため職務に背いた行為をしたときは、7年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科せられます(334条1項1号)。

その対象は理事、監事、評議員(代行者含む)の役員ほか、設立時社員、設立者、使用人、検査役などになります。

また、清算法人に対して意図的に財産上の損害を与えた清算人も特別背任罪の対象です。

特別背任罪
(334条)

1項1号 自己もしくは第三者の利益を図る目的、または一般社団法人に損害を与える目的でその任務に背く行為をし、財産上の損害を与えたときは7年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処する
1項2号 自己もしくは第三者の利益を図る目的、または清算法人に損害を与える目的でその任務に背く行為をし、財産上の損害を与えたときは7年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処する

法人財産処分に関する罪

法律または定款の規定に違反して基金の返還をしたとき、一般社団法人の目的範囲外で投機取引のため財産を処分したときは、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます(335条1項1号)。対象者は334条と同じです。

法人財産の処分に関する罪
(335条)

1項1号 法令または定款の規定に違反して、基金の返還をしたとき3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処する
1項2号 一般社団法人の目的の範囲外において投機取引のために法人の財産を処分したときも同様

虚偽文書行使罪

基金引受者の募集にさいして、社団法人に関する重要な事項について虚偽の記載をしたとき、またはデータ文書で虚偽のものを作成したときは、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられます(336条1項1号)。対象者は334条の者と、基金を引き受ける者の募集を委託した者となります。

虚偽文書行使の罪
(336条)

1項1号 基金を引き受ける者の募集をする際、一般社団法人の事業やその他情報を記載した資料、広告、その他文書で重要事項について虚偽の記載のあるものを行使したとき、または、電磁的記録の作成がされていて、虚偽の記録のあるものをその募集の事務に使用したときは3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処する

贈収賄罪

不正の請託を受けて、利益を得た場合、またはその要求をした場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金に科せられます。対象者は334条の者に加えて、会計監査人、利益を供与した者、申し込みをした者になります。なお、贈収賄罪で得た利益は没収処分となります(337条3項)。

贈収賄罪
(337条)

1項 自己の職務に関して不正の請託を受け財産上の利益を収受し、またはその要求もしくは約束をした場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処する
2項 利益を供与し、またはその申し込みもしくは約束をした者は3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処する
3項 犯人の収受した利益は没収する。

また、「特別背任罪」「法人財産処分に関する罪」「虚偽文書行使罪」「贈収賄罪」は海外で行った者も適用の対象となります。


公益法人の役員に科せられる罰則

公益社団法人、公益財団法人の場合には、一般法および公益法(公益社団法人および公益財団法人の認定に関する法律)で規定する罰則が適用されます。一般法の罰則については前述のとおりです。

公益法で規定する罰則には「認可手続きの不正に関する罪」「誤認名称使用に関する罪」「虚偽記載に関する罪」があります。それぞれを見ていきましょう。

認可手続きの不正に関する罪

不正手段により公益認定・変更認定を受けた者は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。また、行政庁の認定を受けずに行った変更も同様です。

認可手続きの不正に関する罪
(公益法62条)

1号 偽り、その他不正な手段により、公益認定、変更認定を受けた者は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処する
2号 行政庁による変更の認定を受けずに公益目的事業の種類・内容の変更をした者
3号 行政庁による変更の認定を受けずに収益事業の内容の変更をした者

誤認名称使用に関する罪

公益法人であると誤認される可能性のある文字をその商号に用いた者は、50万円以下の罰金が科せられます。

誤認名称に関する罪
(同法63条)

1号 公益社団法人または公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称または商号を使用した者は50万円以下の罰金に処する
2号 他の公益社団法人または公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称または商号を使用した者は50万円以下の罰金に処する

虚偽記載に関する罪

申請書、その他書類に虚偽の記載をした者は30万円以下の罰金が科せられます。また、事務所に据え置くべき書類を据え置かず、記録すべ事項を記載しない行為についても同様です。

虚偽記載に関する罪
(同法64条)

1号 申請書または定款、事業計画書などの書類に虚偽の記載をして提出した者は30万円以下の罰金に処する
2号 変更認定に関する書類、内閣府令で定める書類に虚偽の記載をして提出した者も同様とする
3号 書類または電磁的記録を備えおかず、または記録すべき事項を記載せず、もしくは虚偽の記載をした者も同様とする