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社団法人の理事会の役割

一般社団法人の役員として最も重要な役割を担うのが理事です。理事は法人を代表して業務を執行します。理事が複数いる場合には過半数の意見をもって業務を決定します。なかでも理事らで構成される理事会は業務執行機関として社団の運営にあたります。会社で言えば取締役会のような存在です。

今回は社団法人の理事と理事会について分かりやすく説明します。


理事とは取締役のようなもの

株式会社において取締役が企業の運営方針を決定するように、社団法人ではその役割を理事が担います
理事は社団法人を構成する最低限の要件となっています。社団法人を設立するには少なくとも1人以上の理事を選任しなければなりません。理事の役割は業務執行機関として法人を代表することです。任期は2年以内で、社員との兼任も可能です。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
76条 理事は、一般社団法人の業務を執行する(ただし、定款に別段の定めがある場合を除く)

また、理事の報酬は社員総会の決議によって決まります、

さまざまな義務を負う理事

理事が複数いる場合は、各自が法人を代表することができますが、社員総会の決議によって代表理事を選任することも可能です。代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上、または裁判外の行為をする権限を持ちます。

このほか、理事が負う義務には、社員に対する社員総会の通知義務(一般社団及び一般財団法39条)、社員総会において説明を求められた時の説明義務(同53条)、社員に対する報告義務(同85条)などがあります。

また、代表理事は3ヶ月に1回以上、理事会に職務執行状況について報告する義務があります。

理事が負う義務と責任一覧(一部抜粋)
39条 社員総会を招集する際、理事は、社員総会の日の1週間前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。
53条 社員総会において、社員からある事項について説明を求められた時には、その事項について必要な説明をしなければならない。
84条 理事は、一般社団法人と理事との利益が相反する取引をしようとするとき、社員総会でその取引について重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない
85条 理事は、一般社団法人に著しい損害を与える可能性があると判断した場合は、その事実を社員に報告しなければならない。
111条 理事(監事、会計監査人なども役員含む)は、任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、生じた損害賠償責任を負う
117条 理事(監事、会計監査人なども役員含む)が職務執行について悪意または重大な過失があったときは、その役員等は、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う
334条 特別背任罪(自己などの利益のため、一般社団法人等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、一般社団法人等に損害を加えた)に該当する場合、7年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金
335条 法人財産処分罪(法令・定款の規定に違反して基金の返還をしたとき、または、一般社団法人等の目的の範囲外で投機取引のため一般社団法人等の財産を処分したとき)に該当する場合、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
337条 収賄罪(職務に関し、不正の請託を受けて財産上の利益を収受・要求・約束をした)に該当する場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金

理事になるための条件は?

社団法人の理事の業務は多岐に渡ります。そのため、さまざまな知識や経験、能力が必要です。理事には会社の役員やその他機関で重職を担ってきた人物がふさわしいと言えるでしょう。

一方、法律では次に該当する者は理事含む役員になることができないと定められています。

役員の欠格事由(65条)
1. 法人
2. 成年被後見人、被保佐人、外国の法律でこれらと同様に扱われる者
3. 法律に違反して刑に処せられ、執行を終えてから2年を経過していない者
4. その他法律に違反し、禁錮以上の刑を受け、その執行を終えるか、執行を受けることがなくなるまでの者(執行猶予中の者を除く)

理事会の役割

理事によって構成される理事会。業務執行機関として「業務の意思決定」「理事の職務執行の監督」「代表理事の選定・解任」「社員総会召集の決定」などを行います。理事および理事会と社団法人は委任の関係にあるため、理事は民法で規定される善管注意義務(社会通念上の善良な管理者の注意義務)を負います。

理事会の権限
38条 社員総会の召集の決定
84条 競業・利益相反取引の制限
90条 社団法人の業務執行の決定
理事の職務の執行の監督
代表理事の選定と解任
124条 計算書類・事業報告の承認

理事会の設置は任意

社団法人は定款で「理事会を設置するかしないか」を自由に決めることできます。設置する場合は、理事は3人以上必要で、その中から代表理事を選ぶ必要があります。さらに監事を置かなければなりません(監事の設置義務)。

理事会は業務執行など代表理事に委任できますが、「重要な財産の処分」などについては委任することができないと定められています。

理事会が委任できない事項
90条4項 重要財産の処分と譲(ゆず)り受け
多額の借金
重要使用人の選任と解任
出張所、派出所などその他の重要な組織の設置、変更・廃止
法務省令で定める体制の整備
損害賠償責任の免除

理事会の設置は社団法人では任意ですが、公益財団法人では必須となります。

過半数を要する理事会決議

理事会の決議は、原則、議決に加わることができる理事の過半数が出席し、その過半数で採択されます。決議要件は定款で変更することも可能です。

また、理事会を設置する社団法人は、その議事録を主事務所に備え置かなければなりません(同97条)。また、社員は必要があるときはいつでも議事録の閲覧を請求することができます。


理事会を設置するメリットは?

株式会社の取締役会のように機能する理事会。そのメリットは社員総会よりもスピーディーな意思決定運営ができることです。

たとえば社員数が数千人を超える大規模社団法人では、社員総会を開くにしても全社員の出欠を管理するだけでも困難といえます。しかし、少人数で構成される理事会を設置すれば容易に召集でき、それだけ業務の意思決定も早まります

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