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社団法人の監事の役割

一般社団法人の監事は、理事が行う業務を監査する機関です。法人をより適正に運営するための重要な機関となります。理事は社団法人を代表して業務を執行するのに対し、監事はこれを監査し監査報告書を作成します。このほか監事にはさまざまな権限と義務が与えられています。一般社団法人では監事の設置は任意ですが、公益社団法人・公益財団法人では必置の機関です。

今回は監事の役割と、社員総会・理事との関係について詳しく解説します。


会社でいえば監査役

監事の職務は株式会社の監査役とよく似ています。理事の業務執行の監査から、計算書類の監査、財産の状況監査、理事会の召集請求などを行う権限があります。

監事は一般社団法人では設置義務のない任意の機関です。理事会と会計監査人を設置する場合は、監事を置かなければなりません。監事を設置した機関設計は次の3とおりです。

一般社団法人の監事設置パターン
社員総会+理事+監事
社員総会+理事+監事+会計監査人
社員総会+理事+理事会+監事+会計監査人

しかし、公益社団法人では監事の設置は必須です。設置パターンは会計監査人を置く場合と置かない場合に分けられます。

公益社団法人の監事設置パターン
社員総会+理事+理事会+監事+会計監査人
社員総会+理事+理事会+監事

監事の選任は社員総会が行い、任期は4年となります。


強化された監事の権限

監事の権限は理事の業務執行の監査だけではなく、計算書類の監査、財産・業務状況の監査など多岐に渡ります。その代わり、監事には理事会への出席義務、出席した際の説明義務などがあります。また、社団法人と監事は委任の関係にあるため、その職責に応じた注意義務をもって職務を行う善管注意義務を負います。

権限一覧を確認

監事の権限の種類は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」で次のように定められます。

監事の権限一覧
71条 会計監査人を解任することができる
99条 理事の職務執行を監査することができる。
99条2項 理事、使用人に事業の報告を求めることができる。社団法人の業務・財産状況を調査することができる
101条2項 理事会を招集することができる
103条 理事が定款に違反する行為をしたときは、それを差し止めることができる
104条 法人と理事との間で訴えを起こしている場合、法人を代表することができる
124条 計算書類、事業報告書を監査することができる

監事の権力を強める理由

株式会社では、不正行為の防止や競争力向上の観点からガバナンスの強化が図られています。社団法人でも同様で、具体的には監事によるチェック機能・監視機能がさまざまな経営課題の解決に役立っています。

対社団法人との関係で監事の立場を強める同106条では、「(監事の)職務執行について、監事設置一般社団法人に対して、費用前払請求や利息返還請求をした場合は、当該監事設置一般社団法人は、請求に必要な費用等が監事の職務の執行に必要でないことを証明しない限り、拒否することができない」と定めています。

また、社員総会との関係で監事の立場強化した74条では「監事は、社員総会で監事の選任・解任・辞任について意見を述べることができる。さらに、監事を辞任した者は、辞任後に招集される社員総会で、辞任した理由を述べることができる」とします。

105条では監事の報酬の決め方について「監事が2人以上いる場合、定款で特段の定めがない、または社員総会の決議がないときは、適切な報酬の範囲内で監事との協議によって決める」と定めます。

理事との関係では、「(監事がいる場合)理事は、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するときは、監事(監事が2人以上の場合はその過半数)の同意を得る必要がある」としています。

いずれも監事の立場・権限を強め、法人の強力なチェック体制の構築に貢献しています。


監事に求められる義務

職務全般に関する善管注意義務含め、監事には次のような義務が課せられています。

監事の義務一覧
100条 理事が不正行為をしたときは、遅滞なく理事会に報告しなければならない
101条 理事会への出席し、必要があるときは意見を述べなければならない
102条 監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類などを調査し、著しく不当な内容があった場合、調査結果を社員総会に報告しなければならない
111条 監事など役員(理事、会計監査人含む)は、その任務を怠った場合、一般社団法人に対し、損害賠償責任を負う
117条 監事などの役員等が行った職務について悪意または重大な過失があった場合、役員は、これによって生じた損害賠償責任を第三者に対して負う。