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社団法人、財団法人を運営する機関とは

一定の手続きを踏むことで法人格を取得できる社団法人。有名なものでは、日本経済団体連合会(日本経団連)日本フランチャイズ協会などがあります。社団法人を構成するのは社員ですが、その運営は社員総会、理事会、会計監査人などの機関が行います。会計監査人の設置は任意ですが、資産200億円以上の大規模一般社団法人では義務付けられているなどのルールが存在します。

本記事では、社団法人および財団法人の運営組織について分かりやすく解説するので見ていきましょう。


一般社団法人の運営組織

一般社団法人では、社員から構成される社員総会が業務の方針を決定できます。社員総会は必要がある場合にはいつでも招集することができると定められており(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第36条2項 以下、一般法と略す)、決議は、原則、総社員の議決権の過半数を持つ社員が出席し、出席した社員の議決権の過半数によって行われます。

社員総会とその他機関

一般社団法人では、社員総会のほか業務執行機関として1人以上の理事を設置しなければなりません。社員は設立時に2人以上必要ですが、設立後は1人でも構いません
普通決議では過半数以上の議決権が必要ですが、重要事項などの特別決議では、総社員の半数と3分の2以上の議決権が必要となります。

また理事が3人以上いる場合は理事会を設置することができ、定款の定めによって、監事、会計監査人も設置が可能です。ただし、理事会と会計監査人を設置する場合には監事を置かなければなりません。監事は理事を監査し、その結果を社員総会で報告する立場となります。

このほか、貸借対照表の負債の合計額が200億円以上の大規模一般社団法人は、会計監査人の設置義務があります。会計監査人の選任は、会計士または監査法人を対象に行われます。

以下は、一般社団法人における機関設計の全5種類です。

社団法人の機関設計の例
1. 社員総会+理事
2. 社員総会+理事+監事
3. 社員総会+理事+監事+会計監査人
4. 社員総会+理事+理事会+監事
5. 社員総会+理事+理事会+監事+会計監査人

社員総会では「一般法に規定する事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項」(一般法35条)について決議をすることができます。

ただし、理事会を設置した場合、「一般法に規定する事項及び定款で定めた事項」についてのみ決議可能です。

業務を執行するのは理事

理事には一般社団法人の業務を執行する権限が与えられています(ほかに代表理事を定めている場合を除く)。理事が複数人いる場合、業務は過半数により決定されます。
一方、損害を与えた場合には賠償責任を負うなど権限と責任が明確化されています(免除には社員総会での決議が必要)。

ここで一例として日本経団連の組織を確認してみます

経団連は現在、企業1,350社、製造業やサービス業など主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体から構成される一般社団法人です。戦後の日本経済を復興することを目的に1946年に設立されました。

現在定款に記載されている目的は「総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、我が国経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与すること」となっています(経団連ホームページより)。

組織形態は、代表理事1名、理事25名、監事2名の会計監査人設置法人です。貸借対照表の負債の合計額は336億3700万円なので、大規模一般社団法人となります。


(日本経済団体連合会資料より)

公益社団法人の運営組織は?

一方、公益社団法人では、社員総会、理事、監事のほか、理事会の設置も義務となります(公益認定法※14条)。また、事業年度における当該法人の収益の額などが政令で定める基準に達していることを条件に、会計監査人の設置も義務づけています。(同法12条)。

公益法人では、法人とその理事、監事、会計監査人と評議員(財団法人含む)は、委任の関係にあり、報酬の有無にかかわらず、注意義務をもって職務に当たることが求められてす。理事・監事・評議員等の職務上の義務違反を行った場合、公益認定取消の対象となることもあります。

公益法人の理事は、一般社団法人と同様に、業務執行を監視する役割を任せられます。理事の解任事由は、公益社団法人の場合はありませんが(ただし、社員総会の決議で執行することができる)、公益財団法人の場合は、職務義務違反、職務怠慢などがそれに当たります。


(内閣府公表資料より)

※公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律のこと。


一般財団法人の運営組織

次に、一般財団法人では、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事の設置義務があります(一般法第170条)。評議員は3名以上必要で、理事・監事・使用人などとの兼務は禁止されています。また、定款に記載することで会計監査人を設置することもできますが、資産200億円以上の大規模一般財団法人では、会計監査人の設置が義務付けられています。

財団法人の機関設計は2通り

一般財団法人では業務執行を担当する理事の権限が大きくなり過ぎないように、次のような機関設計の方法が用意されています。

1. 評議員+評議員会+理事+理事会+監事
2. 評議員+評議員会+理事+理事会+監事+会計監査人

評議員で構成される評議員会では、役員と会計監査人の選任・解任を決議することができます。このほか、定款変更や事業の全部譲渡、合併契約の承認に関する決議も可能です。重要事項となる特別決議では、評議員の3分の2の賛成が必要です。

監事は、理事を監査し、その結果を評議員会で報告する義務があります。また、理事会に出席する義務もあります。理事・使用人との兼務は禁止されています。

一方、理事会は一般社団法人と同様に、業務執行の決定、評議員会の召集決定に関する決議ができます。理事は3人以上必要で損害を与えた場合、賠償責任を負います(※免除には評議員の決議が必要となる)。

公共財団法人の機関設計

公共財団法人の機関設計は次の2通りです。

1. 評議員+評議員会+理事+理事会+監事+会計監査人
2. 評議員+評議員会+理事+理事会+監事

最終事業年度の損益計算書の収益の合計額が1000億円に満たない公共財団法人・公共社団法人は、例外的に会計監査人を設置しなくてよいことになっています。
また貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が50億円に満たない公共財団法人・公共社団法人も同じです。

計算書類の監査を行う会計監査人は役員とは独立した存在であり、法人が提出する決算書類の適正性、信頼性を高めます。

このほか、財団法人では、法律で定められていない機関を独自に設置することも可能です。ただし、既存の評議員会、理事会などに似た名称の機関を設置する行為は、誤認される恐れがあるので、避けるべきでしょう。