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社員総会、理事会、評議員会の開催手続き

一般社団法人および公益社団法人の構成員である社員によって開かれる社員総会は最高意思決定機関としてその役割を果たします。役員である理事によって開かれる理事会は業務執行機関として必要に応じてその都度開催されます。また、一般財団法人および公益財団法人の評議員で構成される評議員会は必置の機関であり、事業年度の終了後に開催されています。

それぞれの招集に関する手続き(日時、場所、目的など)、招集権者にはどのような違いがあるのか。比較しながら見ていきましょう。


社員総会の開催手続き

社員総会の開催手続き

一般社団法人法および一般財団法人に関する法律(以下、一般法と略す)によると、社員総会は、「当法律に規定する事項とその組織、運営、管理その他一般社団法人に関する全ての事項について決議をすることができる」と定められています。

社員総会は、株式会社で言えば株主総会に当たる最高意思決定機関となります。ただし、一般社団法人は非営利団体であるため、社員に利益分配するとの内容を社員総会で決議することはできません(同35条3項)。

このほか、社員総会の決議を必要とする事項に関して、理事会やその他機関が単独で決議できるとの内容の定款を定めることはできません(同35条4項)。

社員総会の種類

社員総会には毎年一定の時期に開かれる「定時社員総会」と、必要があれば臨時で開かれる「臨時社員総会」があります。

・2つの社員総会

社員総会

定時社員総会

毎事業年度の終了後、一定の時期に招集されるもの

臨時社員総会

必要があるときに、いつでも招集可能なもの

社員総会を招集できる人

社員総会を招集する権限があるのは理事です(同36条3項)。ただし、次の一定の条件を満たせば社員は理事に対して社員総会開催の請求をすることができます(同37条)。

社員による社員総会開催請求の条件

・総社員の議決権の10分の1以上を有する社員(定款で5分の1以下と定めている場合はその割合)が
・開催目的事項と
・招集の理由を示すこと

社員による招集請求があったにも関わらず、理事が社員総会を招集しなかった場合、社員は裁判所の許可を得ることで直接招集することができます(同37条)。請求した日から6週間以内の日を社員総会の日とする招集の通知はなされない場合も同様です。

招集に必要な事項

理事(もしくは社員)が社員総会を招集する場合、①日時と場所、②開催目的、③社員総会に出席しない社員が書面(またはメールなどの電磁的方法)で議決権を行使する予定がある場合はその旨を定めなければならないとされています。

社員に対する通知

社員総会の開催事項が決まったら、理事は開催の1週間前までに社員に通知しなければなりません(同39条)。ただし、社員総会に出席しない社員が書面もしくはメールなどで議決権を行使する場合、2週間前までに通知する必要があります。なお、理事は社員総会に出席しない社員に対して、議決権の行使について参考になる事項を記載した書類(社員総会参考書類)および、社員が議決権を行使するための書面(議決権行使書面)を交付しなければなりません(同41条)

通知の方法は原則書面によりますが、社員の承諾を得れば電子メールなどの電子的方法で通知を発することも可能です(同39条3項)。

また、社員の全員の同意があるときは、招集の通知手続きを省略することも可能です(同40条)。

理事会の開催手続き

公益法人および一般法人における理事会は、法人の業務執行決定機関としての役割を担います。理事会はすべての理事によって組織され、業務執行決定のほか各理事の職務執行に対する監督、代表理事の選定・解任をすることができます。

理事は、法人との関係ではその個人的能力や資質から運営を委任されています。しかし、次のような運営に関わる重要な業務執行を決定する場合、理事会は理事に対して委任することはできません(同90条4項)。

・理事に委任できない事項

  1.  

重要な財産の処分と譲り受けに関する事項

  1.  

多額の借財(借金)

  1.  

重要な使用人(職員)の選任と解任

理事会の種類

理事会の開催は必要があるときにいつでも開催することができると解されており、法律上はその種類について明確に定められていません。

しかし、実務上、事業年度毎に開かれる定時理事会と、必要があるときに開かれる臨時理事会を設ける法人が多いようです。

・2つの理事会

理事会

定時理事会

毎事業年度の終了後、一定の時期に開催されるもの

臨時理事会

必要があるときに、いつでも開催されるもの

理事会を招集できる人

理事会を招集する権限があるのは原則、各理事となります。また、定款で特定の理事に対して理事会を招集する権限を与えると定めることもできます。(同93条)。

この場合、招集権限のないほかの理事は、招集権を持つ理事に対して、理事会の開催目的を示すことで、開催請求をすることができます。

その他理事による理事会開催請求の条件

前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた招集権を持つ理事(招集賢者)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる

その他理事による招集請求があったにも関わらず、請求があった日から5日以内、その請求があった日から2週間以内に理事会通知が発せられない場合、請求した理事は直接招集することができます(同93条3項)。

このほか、監事も理事会を請求することができます(同101条2項)。監事は、理事会請求をした日から2週間以内の日を理事会の日とするとの通知が理事より発せられない場合、直接理事会を招集することができます。

招集に必要な事項

理事(もしくは招集権者理事)が理事会を招集する場合、①日時と場所、②開催目的、③議案の内容などを記載することが望まれます

理事に対する通知

理事会の開催事項が決まったら、理事は開催の1週間前までに他の理事および監事に通知しなければなりません(同94条)。また、理事および監事全員の同意があるときは、招集の通知手続きを省略することも可能です(同94条2項)。

ここで、社員総会ではその出席しない社員が書面もしくはメールなどで議決権を行使することが認められていましたが、理事会では原則認められていません(同38条)。しかし、事項について議決に加わることができる理事全員が書面またはメールなど電磁的記録により同意する意思を示したとき、監事が異議を述べた場合を除き、理事会の決議があったものとみなすことができると定款で定めることができます(同96条)。

議事録の保管義務

理事会が開かれた際、その議事録は理事会があった日から10年間、主たる事務所に保管しなければなりません。社員は裁判所から許可を得ることで議事録の閲覧および謄写の請求をすることができます。

議事録の保管

理事会を設置する一般社団法人は、理事会の日から10年間、議事録もしくはは記録した書面若しくは電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。

評議員会の開催手続き

公共財団法人および一般財団法人における評議員で構成される評議員会は、
一般法に規定する事項および定款で定めた事項に関して決議することができる機関です。理事会はすべての理事によって組織され、業務執行決定のほか各理事の職務執行に対する監督、代表理事の選定・解任をすることができます。

評議員会の決議を必要とする事項(理事・監事・会計監査人の選任と解任、理事および監事の報酬の決定、役員の損害賠償責任の一部免除、定款の変更など)について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定できるとの定款を定めることはできません(同178条3項)。

なお、理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、議決に加わることができる評議員全員が書面またはメール電磁的記録により同意の意思を示したときは、評議員会の決議があったものとみなされます(同194条)

評議員会の種類

評議員会には毎年一定の時期に開かれる「定時評議員会」と、必要があれば臨時で開かれる「臨時評議員総会」があります(同179条1項2項)。

・2つの評議員会

評議員会

定時評議員会

毎事業年度の終了後、一定の時期に招集されるもの

臨時評議員会

必要があるときに、いつでも招集可能なもの

評議員会を招集できる人

評議員会を招集する権限があるのは理事です(同179条3項)。

評議員による評議員会開催請求

理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる

評議員による招集請求があったにも関わらず、理事が評議員会を招集しなかった場合、評議員は裁判所の許可を得ることで直接招集することができます(同180条)。請求した日から6週間以内の日を評議員会の日とする招集の通知はなされない場合も同様です。

招集に必要な事項

理事(もしくは評議員)が評議員会を招集する場合、①日時と場所、②開催目的、③その他法務省令で定めた事項を定めなければならないとされています。

評議員に対する通知

評議員会の開催事項が決まったら、理事は開催の1週間前までに評議員に書面にて通知しなければなりません(同182条)。なお、書面による通知に関しては評議員の承諾を得ることでメールなど電磁的方法により通知することもできます(同182条2項)。

また、評議員の全員の同意があるときは、招集の通知手続きを省略することも可能です(同40条)。