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決算書を理解するのに役立つ簿記知識を簡単解説! 〜単式簿記と複式簿記の違いとは?〜

決算期になると会社はこれまでの営業活動の結果を取りまとめた決算書を作成します。決算書とは貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書からなる財務諸表です。株主や税理士、公認会計士などでないかぎり普段あまり目にすることがない資料なので、馴染みがない人も多いでしょう。

しかし、会計知識がなくても会社の経理担当者などは決算書が示す1つ1つの項目の意味を理解することができるはずです。なぜなら馴染みの薄い人にとっては難しい決算書も家計簿と同じ「帳簿」の一種だからです

家計簿ではお金の出入りについて「単式簿記」という方法で記帳するのが一般的ですが、会社では商品や借入金などを含めた「複式簿記」で記帳します。この帳簿は貸借対照表や損益計算書のもととなります。つまり、決算書を正しく読むには基本的な簿記知識があると大変便利なのです

本記事では簿記に関する基本的な知識を解説していきます。決算書を理解するための武器として是非役立ててください。

そもそも簿記ってなに?

家計簿をつける理由には、お金の出入りを記録することで無駄な出費がないかを把握し、節約に役立てるなどが挙げられます。家計簿では基本的に現金の収支を記録することになり、この方式が単式簿記と呼ばれています。簿記とは帳簿を記録するという意味です。

単式簿記は現金の出入金のみ

単式簿記は現金の出入りのみを記録する方法なので、一般の会社が使用することはありません。会社が使用するのは複式簿記という方法であり、現金ほか商品、土地・建物、機械・備品・クルマなども記録します。さらに営業活動でいくら稼いだのか、費用はいくらかかったのか、いくらの利益が出たのかまでも記録します。

仮に単式簿記で会社の取引を記録しようとしても限界があります。次の表はA社の取引記録を単式簿記であらわしたものです。

2018年4月1日 出資金1000万円で運送業を目的とするA社を設立する
2018年5月1日 金融機関から500万円を調達する
2018年6月1日 従業員2人を採用。さらに1台500万円の中古トラックを購入する
2018年7月1日 従業員2人に給料を支払う。合計40万円。
2018年8月1日 東京から岩手まで商品を輸送する。運賃の売り上げ50万円だった。
2018年9月1日 輸送トラックの定期メンテナンスをする。費用は10万円かかった
2018年10月1日 東京から福島県まで商品を輸送する。運賃の売り上げは10万円だった
2018年11月1日 従業員2人に合計40万円の給料を支払う
2018年12月30日 従業員2人に合計50万円ボーナスを支払う

以上の取引を単式簿記で記録すると次のようになります。

(単位:万円)

日付 摘要 入金 出金 残高
2018年4月1日 出資金 1000 1000
2018年5月1日 借り入れ 500 1500
2018年6月1日 車両購入 500 1000
2018年7月1日 給与支払い 40 960
2018年8月1日 輸送運賃 50 1010
2018年9月1日 整備費用 10 1000
2018年10月1日 売り上げ 10 1010
2018年11月1日 給与支払い 40 970
2018年12月30日 特別賞与支払い 50 920

A会社の収支状況を単式簿記で記述すると、920万円の残高があることがわかります。しかし、金融機関から1000万円を借り入れしているため、これが丸々利益となるわけではありません。期日までに返済することを考慮すれば、「920-1000=−80」で80万円の借金を抱えている状況です。さらに本来であれば、残高の920万円も事業成長のために投資するのが一般的です。

しかし事業活動は継続中であり、今後も会社は存続します。2018年の12月末時点で現金残高が920万円だったとして、現在経営が苦しいのか、成長中なのか判断しかねます。購入したトラックも資産になりますし(※通常は減価償却もするがここでは説明を省く)、従業員への給与支払いは複式簿記なら費用に計上することができます。

このように、単式簿記は会社の経営状況を具体的に把握するには向いていません。したがって、株主への配当として正しく利益を算出するために、複式簿記による記帳が必要になってくるのです

複式簿記は複雑だけど超有能!?

複式簿記では取引によって生じた変動をより具体的に記述します
さきほどのA会社を例にとると、「2018年6月1日 車両購入」の取引は、単式簿記では、

6月1日 車両購入 5,000,000円

と記述しました。
一方、複式簿記では次のようになります。

6月1日 車両5,000,000円   現金5,000,000円

トラックを購入したため、現金500万円がなくなりましたが、500万円の価値がある車両を手に入れましたが。この車両は売却すれば現金化できますし、引き続き営業活動で必要となる「資産」と考えることができます。

複式簿記は、取引が生じたらこれを「仕訳」し、勘定科目として書き出しますこれを集計したものが「試算表」と呼ばれ、これをもとに貸借対照表や損益計算書が作成されます

貸借対照表、損益計算書は決算書として会社の経営状況をあらわす資料となります。株主や投資家は会社が決算期に作成する決算資料をもとに投資判断をするのです。

業種別で異なる簿記

簿記は会社の取引を帳簿におこす際の会計上のテクニックであり、その重要性については先に述べた通りです。

さまざまな種類がある簿記試験

簿記は業種によって使用する種類が異なります。小売業や卸売業なら「商業簿記」、自動車メーカーや電機メーカーなど製造業なら「工業簿記」、銀行・信用金庫なら銀行簿記、証券会社なら証券簿記、建設業なら建設業簿記、農業・林業などなら農業簿記となります。

いろいろな簿記の種類

商業簿記 スーパー、デパートなどの小売業、商社などの卸売業
工業簿記 自動車、電機メーカーなど工場を持つ製造業
銀行簿記 普通銀行、信託銀行、信用金庫などの銀行業
建設業簿記 建設会社や工務店などの建設業
農業簿記 農業、林業など

最もメジャーな商業簿記

商業簿記は簿記試験として最も知られており、ビジネスパーソンとして身につけておきたい専門知識です。「商品を仕入れ、販売する」という基本的な営業活動で使用されます。

日本商工会議所は年3回簿記試験を実施しています。これまでに2600万人以上が受験している日本有数の資格試験となっています。試験は1級、2級、3級、初級とあり、スケジュールが合えば各級を同時に受験することも可能です。初級は2016年に新たに新設されたもので、これまで存在していた4級は廃止となりました。

各級で求められる知識は次の通りです。

1級 公認会計士、税理士などの難関国家資格への登竜門とされる。税理試験はそもそも受験資格に厳しい要件が設けられているが、日商簿記1級を取得すると税理士試験の受験資格が得られる。極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析が可能。大学等で専門に学ぶ者に期待するレベル
2級 経営管理に役立つ知識として、企業に最も求められる資格の一つとされる。特に企業の経理担当者には必須。原価計算などを含む高度な商業簿記・工業簿記に関する知識を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握することができる。高校(特に商業高校)において修得を期待されるレベル
3級 ビジネスマンに必須となる基礎的な簿記知識である。経理・財務の部署以外でも、職種にかかわらず評価する企業が多い。基本的な商業簿記を修得し、経理関連書類の適切な処理や青色申告書類の作成など、初歩的な実務がある程度可能。特に中小企業や個人商店の経理事務に役立つ
初級 ビジネスパーソンが業種・職種に関係なく日常業務をこなすための必須知識となる。基本的な簿記用語や複式簿記の仕組みを理解・把握しており、業務に活用することができる

(参照:日本商工会議所)

工場でおもに使用される工業簿記

一方、自社工場で商品を製造する活動については工業簿記が用いられています。自社で製造した商品を販売して利益を得るためには、製造にかかった費用、つまり原価計算を正確に行わなければなりません。そこで工業簿記を用いて適切な会計処理をするわけです。

工業簿記に関する試験は、日商簿記の2級から試験範囲となっています。原価計算をするために必要な材料費、労務費、経費などを学びます。

エリートバンカーに必須?の銀行簿記

銀行や証券会社で用いられる複式簿記に特化したものが銀行簿記です。商業簿記の仕組みを基本としますが、財政状況を明らかにするために毎日残高試算表を作成する、すべての取引を現金仕訳するなどの特徴があります。また株式、投資信託、先物取引など証券業の業務内容にも対応した会計処理の複式簿記となっています

銀行簿記に関する資格試験では銀行業務検定試験があります。銀行業務検定とは、銀行業務検定協会が行っている民間資格試験で1968年にスタートしたものです。同協会によると、銀行・保険等の金融機関の行職員を対象に、業務の遂行に必要な実務知識および技能応用力についてその習得程度を測定することを目的としています。昨年10月時点での累計試験申込者数は1000万人を突破。現在は法務・財務・税務・外国為替・証券・融資渉外・金融経済・信託実務・ファイナンシャルアドバイザー・窓口セールス・年金アドバイザー・営業店管理・デリバティブ・融資管理・投資信託・金融商品取引・相続アドバイザー等23系統・36種目の試験を実施しています。

経営分析まで求められる建設業簿記

建設業関連の会計知識と経理知識に特化したのが建設業簿記です
建設業簿記に関する資格試験では、一般財団法人の建設業振興基金が運営する建設業経理士検定があります

建設業経理士検定は、建設業経理に関する知識の向上を図ることを目的としています。同法人によると、建設業会計は会計処理で特殊な点が多く高い専門性を求められ、1級、2級合格者は、公共工事の入札可否の判断の資料となる経営事項審査の評価対象の1つになっています。

試験は1級から4級まであります。4級では建設業簿記に関する初歩的な理解度を図り、3級では基本的な記帳の仕方と初歩的な原価計算を理解しているかどうかが問われます。2級では実践的な建設業簿記の使い方と基礎的な原価計算を習得が求められ、1級ではより高度なレベルで建設業簿記、建設業原価計算を習得し、さらに経営分析が行えることが求められます

2014年から始まったばかりの農業簿記

少子高齢化による人手不足で衰退しつつある国内農業において、農業者の経営管理の合理化を図るため発足した全国農業経営コンサルタント協会監修が2014年から始めたのが農業簿記検定です

同協会によれば、近年の農業経営は集落営農の法人化、個人事業としての農業から法人経営への転換、また、異業種企業からの農業参入等の事象が活発に生じており、計数管理に基づいた合理的な農業経営を確立する必要性が高まっているとされます

農業簿記試験は単なる学問ではなく実際に役立つことを理念に作成されている試験です。1級から3級まであり、年2回実施されています。1級と2級の併願はできませんが、2級と3級の併願は可能です。商業簿記を基本に財務諸表、損益計算論、資産会計論ほか、集落営農組織等の任意組合の会計などが試験範囲となります。

複式簿記のキホンは取引・仕訳・集計

わかりにくいと言われる複式簿記でも、基本を理解することができれば、そこまで複雑なものではありません。

複式簿記では取引が発生すれば、まず仕訳します。仕訳とは項目(現金、建物、土地など)ごとに取引内容を振り分けることです。複式簿記で記帳する目的は、最終的に貸借対照表、損益計算書を作ることですから、仕訳したものを集計します。集計された資料は試算表と呼ばれ、各決算書類のモトとなるのです

仕訳のキホンを知ろう

企業は日々さまざまな取引を行っています。たとえばある会社が、人手不足の宅配業界でのし上がろうと、軽トラックを約100万円で購入したとします。この時の取引は、複式簿記では次のように記録します。

◯月×日 車両1,000,000円  現金1,000,000円

車両を100万円で購入して取得した代わりに、現金が100万円分減少しました。仕訳では増加したものを左側に、減少したものを右側に記録します。なお、この左側のことを「借方」、右側を「貸方」と呼びます。資産や費用が増加し、負債が減少したときは借方に記帳し、資産・費用が減少し、負債が増加したときは貸方に記帳します。

次に、ある会社が新規事業に参入しようと銀行から500万円を借り入れ、ひとまず預金口座に預け入れたとします。このときの取引は、次のようになります

△月□日 普通預金 5,000,000円  借入金5,000,000円

借入金という負債が増加したので、右側である貸方に書きます。同時に、借り入れたことで資産が増加したことになるので、左側である借方にも記録します。

このように1つの取引に対して資産、費用、負債などの増減を2つに分けて書くのが複式簿記における仕訳のキホンです。慣れないうちは取引をどう仕訳たらよいか分からないと思いますが、簿記用語に慣れることでスムーズに仕訳できるようになります。

簿記用語を知ろう!

取引を仕訳する際、その取引内容ごとに「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」5つのカテゴリーに仕訳する必要があります。

資産 企業が持つ財産のこと。掛けで売った商品代金である売掛金、銀行口座に預けてある預金や保有している株式、クルマ、自社ビル、土地などお金に替えられる価値を有する財産である。
負債 企業が抱えている借金のこと。いずれは返済しなければならないもの。銀行からの借入金、掛けで購入した商品代金である買掛金、期日が到来したら支払う必要がある支払手形などがある
純資産(資本) 会社を設立するにあたっての出資金、株主からの資本金、これまでに稼いだ利益剰余金などが該当する。純資産は資産と負債の差額であらわすことができる
収益 事業活動を通じて稼いだ売り上げ、収入である。売り上げ以外では受取利息や受取手数料なども収益となる
費用 事業活動に必要な経費のこと。水道光熱費、インターネット接続料金、テナント家賃、従業員の給料などが該当する。なお、収益から費用を差し引いたものが利益となる

資産、負債の違いを知ろう

資産、負債、純資産の項目で構成される計算書類は貸借対照表と呼ばれます。貸借対照表は、会社にお金がいくらあるか、会社がどれくらい借金をしているかなどの財政状態をあらわす決算書類(財務諸表)の1つです。取引先の財政状態が分かれば、成長中の優良企業なのか倒産寸前の会社なのかを判断することができるようになります

貸借対照表を構成する資産の項目には、会社の商品、設備機会・備品、本社ビル、土地などが計上できます。すべてお金に替えられるものであり、金銭的な価値を有します

資産となるのはこのような固定資産ばかりではありません。代金をまだ受け取っていない受取手形、社債・株券などの有価証券、支払い期限の短い短期貸付金、勘定科目が未確定の場合の仮払金など、さまざまな種類があります。

資産となる勘定科目一覧

現金・預金 現金 通貨、貨幣のこと。資産そのものである。このほか小切手、郵便為替証書なども現金として処理することが可能
小口現金 少額の支払い用に備えておく現金。交通費や通信費、消耗品費、雑費などが該当する
当座預金 小切手による支払い用の口座として使われる。無利息の口座である。「預金」は銀行ごとに記載する必要がある。銀行と当座預金契約を締結することで開設することができる
普通預金 個人・法人が通常、現金を預けておく口座である。わずかながら利息がつく
定期預金 原則、満期日にならないと引き出しができない口座のこと。普通預金口座よりも金利は高い
現金過不足 帳簿上の現金の金額と実際の現金の残高が合わない場合に一時的に用いる勘定科目。原因を究明し、適切な勘定科目へと振り返る必要がある
売上債権 売掛金 商品販売後、未だ受けっていない商品代金
受取手形 相手先が支払いの代替手段として振り出した手形。
貸倒引当金 売掛金、短期貸付金などの金銭債権に対して取り立てが不可能となる見込みを計上するもの。万が一のために備えておく資金
有価証券 有価証券 株式、社債、国債、投資信託など比較的短期で現金化できるもの
棚卸資産 商品 小売業などが販売目的に仕入れたもののこと
仕掛品 製造業などが自社で製造している未完成の商品・製品のこと
原材料 商品の製造に必要な材料のこと
固定資産(有形・無形含む) 建物・土地 本社ビル、事務所、倉庫、駐車場、敷地など。なお、長年使用すると価値が落ちるので減価償却する必要が出てくる
機械・車両 機械装置、これに付随する設備、自動車、フォークリフトなど
工具、備品 工場などで使われる計測器、測定器や机、椅子、パソコン、その他什器など
のれん 企業を買収した際に生じ、高額になるほどのれんの金額も大きくなるもの
長期貸付金 回収する期限が1年を超える貸付金のこと

一方、負債は返済が必要な借金となります。勘定では負債の増加は貸方(右側)に記録します

負債となる勘定科目一覧

仕入債務 支払手形 仕入先に対して現金の代わりに手形で支払ったもののうち未決済のもの
買掛金 仕入れた商品の未払い代金のこと
その他負債(流動負債・固定負債含む) 短期借入金 返済期限が1年以内の借入金のこと
未払金 経費に対する未払いの代金のこと
未払法人税等 未納の法人税、未払法人税等、住民税(道府県民税・市町村民税)など
未払費用 家賃や利息など経費の未払い分のこと
前受金 未販売商品を一時的に振り替えておく勘定科目。販売後は売上高とする
社債 会社が資金調達のために発行する有価証券
借受消費税 消費税について税抜処理をしている場合に、販売等を行った際に受け取った代金の消費税額分のこと
繰延税金負債 すでに支払った税金が、本来支払うべき金額に足らず、将来その差額分を支払うことになる債務のこと。みなし税金とも言われる
長期借入金 返済期限が1年を超える借入金のこと

会社を設立するさいに出資したお金は自己資本として、純資産に計上されます。

資本となる勘定科目一覧

資本金 会社を設立するさいに払い込んだお金のこと
資本準備金 資本金として計上されなかったお金のこと
利益準備金 株主に配当する場合における法律で定められた剰余金の積み立て分のこと

費用、収益の違いを知ろう

収益と費用の項目で構成される計算書類は損益計算書となります。損益計算書は、会社が事業活動を通じて売り上げた金額や、かかった費用などを明らかにする財務諸表の1つです。会社の成績表でも呼ばれます。英語ではPL(Profit Loss Statement=プロフィット・ロス・ステイトメントと表記されます。損益計算書では「収益−費用=利益」が基本的な考え方となります。

損益計算書を構成する費用の項目には、商品を製造または販売するのにかかった「売上原価」、給料・賞与・退職金などの「人件費」、広告宣伝費・水道光熱費・通信費などの「販売費および一般管理費」などを記帳します。費用は、損益計算書では左側に記入します。

費用となる勘定科目

売上原価 仕入れ高 商品を仕入れるのにかかった費用や仕入れ代金そのもの。製造業なら製造原価も含まれる
期首商品棚卸高 前期に売り切ることができなかった在庫。今期に繰り越すさいは期首商品棚卸高として処理する
期末商品棚卸高 今期に売り切ることができなかった在庫。次期に繰り越すさいは期末商品棚卸高として処理する
販売費および一般管理費 役員報酬 役員(取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人)に対して支払われる報酬のこと。報酬額は定款で定められていることが多い。人件費の一つ
給与 従業員に対して支払われる給料のこと。このほか各種手当も含まれる。人件費の一つ
特別賞与 いわゆるボーナス。役員、従業員、パート等に対して支払われる。人件費の一つ
退職金 役員、従業員、パート等が退職する際に支払われるお金。人件費の一つ
法定福利費 会社が負担する健康保険、雇用保険、労災保険などの社会保険料
地代家賃 事務所・工場・倉庫などの家賃、駐車場代など
水道光熱費 電気代・ガス代・水道料金など
給料賃金 従業員に支払う給料・手当・退職金など
法定厚生費 従業員の社会保険料、労働保険料など
消耗品費 FAX、電話機などの事務用品や文房具、キッチン用品や洗面用品など
旅費交通費 電車代・タクシー代・バス代、宿泊代など
通信費 インターネット接続料金、電話代など
新聞図書費 事業に必要な資料として購入する書籍代、雑誌代など
交際費 取引先、得意先との飲食代、慶弔見舞金など
広告宣伝費 新聞や雑誌への広告掲載料、名刺・パンフレット・チラシ・ポスター作成費、ショウウィンドウの陳列費用など
車両費 いわゆるおクルマ代など
雑費 事業活動に関するその他の費用など
その他の費用 固定資産売却損 土地、クルマなどの固定資産を売却したときに生じた損失など
固定資産除却損 ビルなど固定資産を除却(帳簿から除外すること)したときに生じた損失など

一方、事業活動を通じて稼ぎだした収益は売上高という勘定科目を使います。会社が販売した商品・サービスに対する代金であり、収益から費用を差し引くことで利益を求めることができます。なお、費用が収益よりも大きくなった場合は、利益ではなく損失となります

収益となる勘定科目

売上 売上高 仕入先に対して現金の代わりに手形で支払ったもののうち未決済のもの
売上値引き 仕入れた商品の未払い代金のこと
営業外収益 受取利息 会社が本業以外で稼いできたお金で、いわば副業です。銀行に預けている預金の利息のこと
売上割引 売上代金を早期に支払ってもらったことの対価のこと
受取配当金 株の配当金などのこと
特別利益 固定資産売却益、 特別利益は営業取引に関係無く突然発生した利益のこと
債務免除益 ビル・建物の売却で得られた利益のこと
補償金 長期間保有していた株の売却益、火災などで損害を受けた建物の損害保険などのこと
投資有価証券売却益 投資目的で所有していた有価証券が決算書に記載している金額よりも高く売却できたときの利益のこと

個人事業主にも複式簿記がオススメ

複式簿記での記帳の仕方がわかると確定申告時に税制面で有利な措置を受けることもできます。

会社などの法人が税務申告をする際、複式簿記にもとづいて確定申告をするのが一般的ですが、これは個人事業主にもオススメの方法です。なぜなら複式簿記で帳簿を作成すると節税効果のある青色申告をすることができるからです

青色申告のメリットは税制優遇

確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告をすると、最大で65万円が課税所得から控除される「青色申告特別控除」を受けることができます。このほか、家族給与の経費計上や貸倒引当金の経費計上、損失の繰越が可能となっており、節税効果の高い申告方式となっています。なお、青色申告を申請できる人は、不動産所得、事業所得、山林所得のある人に限られます。

青色申告特別控除 最大で65万円が課税所得から控除することができる。不動産所得、事業所得が生じる事業を営んでいる者が対象となる
家族給与の経費計上 青色申告をする者と生計を同じにする15歳以上の配偶者や家族で、青色申告者の元で働いている人に支払った給与は、必要経費として計上することができる。なお、給与の支払を受ける従業員は控除対象配偶者や扶養親族になることができない
貸倒引当金の経費計上 売掛金や貸付金などの売掛債権・金銭債権に対して、5.5%(金融業の場合は3.3%)を貸倒引当金繰入として経費に計上することができる。事業所得が生じる事業を営んでいる者が対象となる
損失の繰越 当期が欠損(=赤字)となった場合、欠損金額を翌年以降最大3年間まで繰り越すことができる

青色申告による記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記(複式簿記)によることが原則されています。しかし、国税庁ホームページによれば、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでも青色申告として申請可能であるとしています。これらの帳簿と書類などは、原則として7年間保存することが必要ですが、書類の種類によっては5年間でよいものもあります。

単式簿記の白色申告は簡単だが…

一方、単式簿記で申告する白色申告では、簡易的な方法で帳簿を作成することができます。しかし、この場合、節税につながるような税制上の特典はありません。なお、白色申告を申請できる人は、事業所得、不動産所得、山林所得が生じる業務を行う全ての者となります。

記帳内容は複式簿記に比べれば単純です。売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載します。この際、国税庁によれば一つ一つの取引ごとではなく合計金額をまとめて記載するなどの簡易的な方法で記入してもよいことになっています。

帳簿・書類の保存期間については、収入金額や必要経費を記載した帳簿が7年、これ以外で業務に関して作成した帳簿、決算に関して作成した棚卸表その他の書類、業務に関して作成し受領した書類(請求書、納品書、送り状、領収書など)が5年となります。

複式簿記で記帳する方法は、はじめは戸惑うことも多いと思いますが、慣れれば会社の経営状況を明確に把握することができます。また、青色申告で確定申告すれば税制優遇措置も受けられますので、決算書を読む知識としてだけでない実務的なメリットも多くあります。これを機に日商簿記試験や税理士試験、公認会計士試験に挑戦してみても面白いかもしれません。